スペースがあれば、しっかり株間をとると高収穫が期待できます
ナスを育てる時、植え付け時期や苗の選び方も重要ですが、
株間や通路をどれくらいとるかも大切なことです。
ナスを育てる時の株間は、どれくらいが良いのでしょうか。
また、株間をとる理由は何にあるのでしょうか?
[ナスの株間は?]
■ナスの株間は?
ナス栽培に適した株間は、地植えでだいたい45cm~50cmほどです。
プランター栽培では、プランター深さ30㎝、容量30リットルくらいあれば、
ナス2株を育て、更新剪定後、秋茄子を収穫することができます。
ナスを育てたことがある方は、ナスの葉が意外と大きいことに気付くでしょう。
しかも、枝を伸ばしながら、節についた花に着果させるため、
生育が進めば、その分、枝も伸びていきます。
そのため、あまりに狭い株間で育てると、
枝や葉が重なりあってしまい、風通しや採光が悪くなります。
ナスは高温と日当たりを好む野菜です。
いくら日当たりの良い場所で育てていても、
株間を狭くすると、日照不足になることもあるのです。
複数の鉢やプランターで育てている場合は、容器と容器の間にも空間が必要です。
植え付けて間もない頃は、まだナスも小さいので容器の間が狭くても良いですが、
育ってきて枝が伸びてきたら、その分広いスペースを作ってあげましょう。
プランター栽培でも株間が広いと驚くほど元気に生長します
■ナス 株間を広くする理由
ナスの株間を広くしておくのには、もちろん理由があります。
理由が分かれば、株間をきちんととっておくことの重要さも分かります。
・風通しを良くする
株間を広くとっておくことで、株間の風通しを確保することができます。
風通しが良いと、空気や湿気がこもらず、病害虫の発生を抑えられます。
また、真夏の最も暑い時期にも、風通しの良い環境を作ることで、
夏バテを軽減することができます。
ナスは高温を好む野菜ですが、あまりにも暑い環境だと花芽のつきが悪くなります。
風通しが良いと、暑い時期に生育が著しく落ちることなく、栽培できます。
ナスの枝葉がこのように茂ると、ナスがバテてしまいます
・日当たりを良くする
ナスは葉が大きく、株が大きくなってくると枝も広がります。
そのため、株間を狭くすると、葉と葉や枝同士が重なりあい、自分で陰を作ります。
ナスは日当たりの良い場所を好み、悪天候が続くだけでも、
日照不足となることがあるほどです。
ナス栽培で、自ら陰を作っては、日当たりの良い場所で育てる意味がありませんね。
株間を広くすることで、葉や枝が重なるのを防ぐことができます。
日当たりの良い環境を守ることで、
花付きが良くなり、着果した実の肥大も良くなります。
ただ、枝数や葉数が多くなってくると、
株間を広げていても、陰を作りやすくなります。
その場合は、整枝や摘葉を行い、陰ができないようにしておきましょう。
このようなトゲが葉や花にもあるので気をつけてください
・作業がしやすく
ナスにも品種が色々あり、中にはトゲなしという品種もあります。
けれど、一般的な千両ナスなどは、葉や実のヘタ部分などにトゲがあります。
枝の誘引方向にもよりますが、実の収穫や摘葉、整枝などの作業を行う時、
株間に手を入れることが多いです。
この時、株間が狭い状態だと、トゲによってケガをする可能性が高くなります。
また、キレイな状態で収穫した実にトゲが当たり、傷つけることもあります。
株間をしっかりととっておけば、管理や手入れもしやすくなります。
>>ナスのトゲは?
・長期栽培に向けて
ナスは生育が旺盛で、高温を好みます。
けれど、栽培初期から次々に花を咲かせて実をつけていると、
どうしても本格的な夏の暑さがやってくると、調子を崩します。
7月下旬頃までに更新剪定を行うことで、
伸び茂った枝葉を整理し、成り疲れ気味になった株をリセットできます。
最も暑い時期を養生しながら過ごすことで、
秋にまた実をつけることができるのが、更新剪定の良いところです。
更新剪定を行う時は、地上部の枝葉だけでなく、地下の根も切ります。
すると、新しい根が出てきて、生育に勢いが戻ります。
株間をしっかりとあけておくことで、初期生育時の根の生育を邪魔することがなく、
かつ更新剪定後の根の伸びも良くなります。
>>ナス 更新剪定
株間が狭いと、すぐ隣の株の根に行き当たってしまい、
ナス同士で陣地争いが発生します。
初期から秋ナスにかけて、長く栽培して楽しむためにも、
株間をきちんととっておくことは、とても重要なことなのです。
■参考
・ナス 種からの育て方
・ナス 地植えの育て方
・ナス プランターの育て方
・ナス 鉢の育て方
・ナス 受粉のコツ
・ナス わき芽かき 摘芯
・ナス 更新剪定