Categories: ナス 育て方

ナス プランターの育て方

■ナス 栽培スケジュール

 

 

 

■ナス 栽培データ

 

英名・学名 eggplant・solanum melongena
形態 多年草(日本では一年草扱い)
原産地 インド東部
草丈/樹高  80cm~100cm
収穫期 6月下旬~9月
栽培難易度(1~5)  3
耐寒性 弱い
耐暑性 強い
特性・用途  長期収穫が可能

 

 

ナスを育てたいが、ベランダしかない、地植えのスペースがない場合には、
プランターでも、ナスをじゅうぶんに育てることができます

 

 

プランター栽培はちょっとしたコツさえつかめば、
比較的簡単に、おいしい秋茄子まで収穫できます。
*より詳細を知りたい場合は、青いリンクのページをご覧ください。

 

[ナス プランターの育て方]

■ナス プランターの育て方

 

・種まきからの場合
ナスは暑い地域が原産で、発芽温度が高く、寒さに弱い性質があります。
そのため、プランター栽培でも育苗には手間がかかるので、
初心者の方やスペースが狭い方は、市販苗を育てることをお勧めします。

 

中級者以上の方や、育てる株数が多い方は、
種から育てるのにチャレンジしても、楽しみです。

 

ナスは種播きから定植までの育苗期間が、だいたい80日~90日ほどです。
そのため、種播きの適期は、植え付け時期によって変わります。

 

気温が十分に上がり、遅霜の心配がない5月上旬頃に植え付けたい場合、
その80日~90日前に種播きするため、2月~3月頃に種播きします。

 

ただし、ナスの発芽温度は20度~30度なので、
この時期に種播きをする場合は、加温する必要があります。

 

加温せずに、気温が高くなってから種播きをする場合は、
4月下旬~5月上旬が種播きの適期です。

 

種播きが遅い分、収穫開始が遅くなりますが、
そのまま秋まで、ずっと収穫を楽しむことができます。
>>ナス 種からの育て方

 

・苗を選ぶ場合
苗からナスを育てる場合は、まずは良い苗を選ぶことが大切です。
良い苗を選ぶことで、その後の育ち具合や収穫できる量が格段に違います。

 

プランターに弱い苗を植え付けると、うまく育たず、途中で枯れてしまうこともあります。
苗選びはできるだけ慎重に行い、できる限り良い苗を購入しましょう。

 

 

 

良い苗とは?
・本葉が7~9枚以上あり、子葉(双葉)がまだついている
・葉の色が大きく色が濃く、厚みがある
・全体ががっしりとしていて、茎が太い
・節と節の間が詰まっていて、徒長していない
・葉や茎などに傷がない
・病害虫の痕跡がない

 

これらの苗を選ぶポイントの他にも、
連作や病気に強い接ぎ木苗がお勧めです。

 

・植え場所(栽培環境)
ナスは、とっても太陽の光が好きです。
日当たりが悪い場所で育てると、全体の色が薄くなり、育ちが遅くなります。

 

プランター栽培でも、日当たりの悪い場所で育てると、花付き・実付きも悪くなり、
その結果、少ししか収穫できずにシーズンが終わることもあります。
できる限り日当たりの良い場所で育てるようにしましょう。

 

また、ナスの葉は1枚1枚が大きく、
それが何枚も茂るので、風通しが悪くなりやすいです。

 

とくにプランター栽培では、風通しが悪くなると、
病害虫の原因となるので、置き場所にも注意します。

 

・プランターと土の準備
ナスはよく根を広げる上、生育スピードがピークに達すると、
相当量の水を要求するようになります。

 

そのため、プランター栽培では、できるだけ大きなプランターを準備しておきます。
深型菜園プランターなど、深さ30cm長さ60cm奥行25cm容量30リットルくらいあれば、
2株を育て、秋茄子も収穫することができます。

 

 

深型菜園プランター、容量30リットルがお勧めです

 

 

また、プランター栽培に使う用土は、市販されている野菜用培養土が便利です。
市販の培養土は、すでに酸度も調整され、元肥も含まれていて、
野菜を育てるのにちょうど良い土に仕上げられています。

 

 


野菜用培養土が便利 C)Hana Uta 米沢園芸 ←管理人はこちらを使っています。

 

 

そのまま使えるので、初めて野菜を育てる方にはお勧めです。
また、新しい培養土を使うことにより、連作障害などの心配がなくなります。

 

以前に使用した古土を使いたい場合は、そのまま使うのは厳禁です。
必ず消毒をし、新たに減った分の土を足し、
元肥と苦土石灰を混ぜて使うようにするとナスも元気に育ちます。
>>ナスの連作は?

 

・植え付け
植え付けは遅霜の心配がなくなる4月下旬~5月中旬頃が適期です。

 

用意したプランターに、底が隠れるくらい鉢底石を入れます。

 

 


その上から用土を、プランターの縁から2cm~3cmほど下まで入れます。
土の表面を平らにならしたら、植え付ける苗を植え付ける場所に仮置きします。

 

複数の株を植える場合は、株間を30cmほどあけておきましょう。
植え付ける場所に、根鉢がすっぽり入るくらいの植え穴をあけます。

 

 

 

植え穴に水を入れ、染み込んだたらポットからはずした苗を入れ、
周りの土を寄せて植え付けます。

 

植え付け後は、プランターの下から水が出てくるくらいまで、
しっかりと水を与えておきます。

 

 

やや浅植えで根鉢が見えないように植え付けます

 

 

・支柱
植え付け後、すぐに支柱を1本立てておきます。
株から少し離した場所に、支柱をほぼまっすぐに底まで挿しこみます。

 

 


紐などを使って、支柱と苗を八の字にゆるく結んでおきます。

 

 

 

支柱の組み方例

 

縦に組む支柱の長さは、150㎝、太さは2㎝くらいが最適です。
苗が根付いてしっかりとし、一番花が咲いて着果したら、
その後に伸ばす枝のために支柱を組んでおきます。

ベランダなど風の強い場所では、支柱をがっしりと組みます。

 

支柱を組んで伸びる枝を誘引しておかないと、
実の重さで枝が下がり、病気の原因や実付きが悪くなることがあります。

 

 

ナスの支柱の立て方例

ベランダや屋上など風が強い場所ではガッチリ組みます

 

 

・水やり
植え付け後から根付くまでの1~2週間は、あまり乾かないように注意します。
根付いた後は、土の表面が乾いたら、
プランターの底から水が出てくるまで水を与えます。

 

気温が高くなってくると、ナスの生育スピードも速くなり、
かなりの量の水を欲するようになります。

 

朝に水を与えても、夕方には乾いていることがあるので、
その場合は夕方にもたっぷりと水を与えるようにします。
>>ナス 水やりのコツ

 

・追肥
植え付けてから2週間後から、追肥を始めます。
化成肥料を与える場合は、2週間に1回、1リットルに1g与えるようにします。
液体肥料を与える場合は、1週間に1回、水代わりに与えます。
>>ナス 肥料の与え方と時期

 

・仕立て
ナスは2本仕立てか3本仕立てにします。

 

 

2本仕立てにする場合は、
一番花のすぐ下から出てくるわき芽を育てて、
一番花のついた主枝との2本を育てます。

 

2本仕立ての支柱、V字型に入れても良いです

 

………………………………………………………………………………

3本仕立てにする場合は、
一番花のすぐ下から出てくるわき芽と、そのさらに下のわき芽を育て、
一番花のついた主枝とで3本仕立てにします。

 

3本仕立ての支柱、交差部分は紐などで結びます

 

………………………………………………………………………………

 

2本や3本仕立てに必要なわき芽よりも、
下から出てくるわき芽は、必要のない芽です。

 

そのまま放っておくと、主となる枝が育つのに必要な養分を奪うので、
早いうちに摘んでおきます。

 

・摘芯
主枝から発生したわき芽を育て、
花芽がついたのを確認した後、摘芯を行います。

わき芽をそのまま放置していると、枝葉がどんどん増え風通しが悪くなります。

 

枝が混み合いすぎると、どこで摘心するのか分からなくなるので、
わき芽の数が少ないうちに把握して摘心するのがポイントです。
>>ナス わき芽かき 摘芯

 

・誘引
主枝が伸びてきたら、支柱に紐などを使って誘引します。
枝の誘引を怠ると、実の重さで枝が下がり、枝が折れたり、
実が土について病気の原因となることがあります。

 

 

ナスは若採りすると、収穫総量が増えます

 

 

・収穫
育てているナスの品種によって、
基準となる大きさや長さ、開花からの期間が異なります。

 

代表的なナスの中長ナスの場合は、
10cm~15cmくらいで少し小さ目で収穫するとちょうど良いです。

あまり欲張って実を大きく育ててしまうと、株が疲れやすくなります。

 

栽培後半まで、コンスタントに収穫するためには、実を若採りして、
株をいかに疲れさせずに維持するかがカギになります。

 

 

 

昨年、ジャンボプランターで2株、2本仕立てにしたところです、大収穫でした

 

 

更新剪定すると、秋には美味な秋茄子が収穫できます

 

 

・更新剪定=切り戻し剪定 
暑さには強いナスも、日本の真夏の暑さにはバテ気味になります。
初夏頃から続けて収穫をしていると、株に疲れが出る頃でもあります。

 

無理に実付きをよくしようと肥料を与えても、
弱った株に肥料を与えると、余計に状態が悪くなることもあります。

 

そんな時は、更新剪定をして、一時養生をするのがお勧めです。
更新剪定をして枝葉を落とし、根を切ることで、
ナスは株を回復させるためにだけ力を使うようになります。

 

7月下旬~8月上旬くらいに、主枝と側枝2本を半分から3分の2くの長さに切ります。
そして、1つの枝に葉は2~3枚くらい残すようにします。

 

暑い真夏の間はしっかりと養生して力を蓄え、
秋にはまたナスを収穫できるようになります。

>>ナス 更新剪定

 

・病害虫
アブラムシ、ハダニ、ニジュウヤホシテントウなどが発生することがあります。
薬剤の散布によって防除することができますが、
発見した時に捕殺することで、薬剤を使わず被害を軽減できます。

 

また、ハダニは高温乾燥の環境になると発生しやすいため、
葉の裏側に時々水をかけてあげる(葉水)と、予防になります。

 

■ナス プランター 育て方のコツ
1.気温が上がってから植え付けるか、防寒をする
2.肥料と水は切れないようにする
3.摘芯をして風通しを確保し、収穫量を上げよう 

 

■参考
・ナス 種からの育て方
・ナス 地植えの育て方
・ナス プランターの育て方
・ナス 鉢の育て方
・ナス 受粉のコツ
・ナス わき芽かき 摘芯
・ナス 更新剪定

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