ナス 水やりのコツ
ナスの水やり、実は意外と難しいですね
ナスは夏野菜の代表としてよく挙げられますが、
夏といえば心配なのが水やりです。
夏野菜の中には、水を控えめにした方が良い野菜もありますが、
ナスは意外と水を欲しがります。
ナスの葉は広く、水分が蒸散しやすい上に、つける実も水分が多いためです。
さらに気温の高くなる夏場は、気温が高いというだけで乾きやすくなります。
かといって、水が溜まった状態が続くのも、ナスには良くありません。
では、どれくらいの頻度で、どのくらいの水を与えるのが最適なのでしょうか?
地植え、プランター・鉢植え、植え付け直後、猛暑のときは……、
などナスの水管理についてご紹介します。
[ナス 水やりのコツ]
■植え付け時
ナスの苗を植え付ける時も、一工夫するだけで、根付きがよくなります。
まずは、苗を植え付ける前に、ポット苗にたっぷりと水を与えておきます。
こうすることで、根鉢に水がしっかりと染み込み、
植え付けてすぐの根付いていない状態でも、水切れを起こしにくくなります。
また、植え付ける時に根鉢が崩れにくくなるため、根を傷めることがありません。
次に、苗を植え付けるための植え穴にも、水を入れて染み込ませておきます。
こうすることで、根鉢と周りの土が馴染みやすくなり、根付きやすくなります。
苗を植え付けた後も、たっぷりと水を与えておきましょう。
ナスの植え付け方
■植え付け直後~根付くまで
どの植物もそうですが、植え付けてすぐに根付くのではありません。
ポットの中で育った根鉢から、少しずつ根が伸びて、周りの土に張り始めます。
それまでは根鉢の中にだけ根がある状態なので、
根鉢分の土が乾燥したら、簡単に水切れの状態となってしまいます。
苗を植え付けた後から、1週間~2週間くらいの間は、
土の表面が少し乾いているのであれば、毎日でも水を与えた方が安心です。
これは地植えでもプランターなどの容器栽培でも共通のことです。
■地植えの場合
1.植え付け後3週間
苗が根付いた後、地植えの場合は、容器栽培よりは乾きにくいですが、
ナスは水切れ厳禁なので注意します。
水切れを起こすと、株全体の生育が鈍くなり、開花や実の育ちも悪くなり、
状態が悪ければ食味も見た目も悪く、枯死することもあります。
しかし無条件に毎日水を与えると、根を張らなくても水が吸えるとナスが判断し、
根張りが悪くなり、結果として大きく育たなかったり、軟弱に徒長します。
地植えの場合、一般的に、植え付け後3週間以上経って、
茎葉の生長が良好になったら、2~3日おきの水やりとします。
一番果収穫前くらいから、水やりの量を増やします
2.一番果収穫の前
一番果収穫の前くらいから、水やりの量を増やし、
5月下旬から6月上旬の降雨量の少ない時期には特に水切れに注意します。
地植えの場合は、雨降りや地下からの水分補給があるので、
土が乾いてから、たっぷりと与えるようにします。
しかし、雨が降ったとしても、思ったより降っていないこともあります。
表面が湿った程度の雨では、ナスに十分な水を与えたとはいえません。
雨が降っても、土を少し掘ってみて中が乾いている場合は、水やりが必要です。
3.大きく生長したら
ナスの株が大きくなってきたら、かなり大量の水を与えます。
大きく生長したナスの株が真夏に必要とする水分は、6リットルと言われます。
何本か畝を作っている場合は、畝と畝の間に水が一時溜まるくらいに水を与え、
その水が全部染み込むのを見届けましょう。
畝を作っていない場合など、通路に水を溜められない場合は、
ナスの株元の周りを、ドーナツ状に盛り上げます。
土手のように盛り上げると、水が溜まりやすくなり水が流れにくくなります。
水が株元に一時的に溜まるので、畝から流れ落ちてしまうのを防げます。
また、水を与える時は、どれくらいの水が確実に土に染みこんだかを確認するため、
バケツなどに一定量の水を入れ、それが完全になくなるまで土に染みこませます。
適当に水やりをすると、畑の中央や表面しか水が染み込まず、
気付かぬうちに、水切れを起こしていることがよくあります。
容器栽培は、水切れにとくに注意します
■容器栽培の場合
プランターや鉢を使って、容器栽培でナスを育てる場合、
地植えよりも土の量が少ないため、土に溜められる水の量も限られます。
鉢が地上に出ている分、外気の影響も受けやすくなるので、
乾燥には十分な注意が必要です。
容器栽培の場合は、土の表面が乾いていたら、水を与えるようにします。
水を与える時は、容器の底から余分な水が流れ出てくるまで、
たっぷりと与えるようにします。
容器の土全体に水を通すことで、必要な水分を補うだけでなく、
新しい空気を入れることにもつながるからです。
プランターや鉢など容器栽培をしている時の水やりで重要なのは、
土が乾いているかどうかを確認することです。
土の量が制限されていて、外の影響も受けやすい容器栽培ですが、
苗が小さいときや梅雨時は、1日で土が乾かないこともあります。
土が乾いていない時に水を与えると、根が傷んで枯れる原因となります。
毎朝、表土を確認し、乾いている時にだけ、水をじゅうぶんに与えます。
水やりを朝にすると、病気にかかる割合が少なくなるんです
■水やりの時間帯は?
特に真夏は、朝・昼・夕のうち、水やりに一番適している時間は朝です。
その次が夕方で、できれば日中は水やりを控えます。
朝はまだ気温が上がり切っていなくて涼しいですし、
夕方は最も暑い時間帯が過ぎているためです。
日中の気温が高い時間帯に水やりをすると、
熱くなった土や葉に冷たい水をかけることになります。
また、葉に残った水滴に太陽の光が当たり、そこだけ焼けてしまうこともあります。
■葉水を与える
ナスの地植え、容器栽培とも、時々、葉水をあげると健康に育ちやすいです。
葉の裏に、霧吹き、ジョウロ、シャワーにしたホースなどで、水をかけてあげます。
葉水は、ハダニなど害虫の発生を軽減でき、しおれも防止します。
マルチを使うと生育が格段に良くなります
■マルチングを使う
水はけが良すぎたり猛暑で、用土の乾燥が早まる場合は、
株元にマルチをしておくと、水分の蒸発を防ぐことができます。
ワラやバークチップを敷くのもいいですし、ビニールマルチを使っても良いでしょう。
ワラなどは、必要と感じた時に購入し、敷くことができるので手軽です。
ビニールマルチの場合は、何色のマルチでも良いですが、
一般的には黒が手に入りやすいのでお勧めです。
ビニールマルチは、苗を植え付ける前に畝にかぶせる必要がありますが、
植え付け後に地温を上げる効果も期待できます。
>>ナスの種と苗を各種見てみる
■参考
・ナス 種からの育て方
・ナス 地植えの育て方
・ナス プランターの育て方
・ナス 鉢の育て方
・ナス 受粉のコツ
・ナス わき芽かき 摘芯
・ナス 更新剪定
・秋ナス 収穫のコツ