秋ナス、とても美しく美味しいです
秋ナスといえば、嫁にくわすなという言葉が生まれるほど、
貴重でおいしい野菜です。
ナスといえば夏が旬のイメージですが、
秋ナスとは具体的にいつが旬の野菜なのでしょうか。
[秋ナス 旬]
■秋ナスとは?
ナスを育てたことがある方は、ナスがいつ頃から花を咲かせるのか、よくご存知でしょう。
スーパーでは年中見かけますが、本来のナスの旬は夏です。
というのも、ナスは暖かいインドで生まれた野菜のため、気温の高い気候を好むのです。
冬の間にスーパーに並んでいるナスは、暖房の入ったハウスなどで栽培されたもののため、
露地栽培ではありません。
ナスにとって日本の冬は、気温が低すぎて生育に適さないのです。
そんなナスですが、秋になると「秋ナス」と呼ばれるものがお店に並びます。
秋ナスは文字通り、秋に収穫されるナスのことです。
夏に収穫されるナスに比べ、実が締まっていておいしいとされていますが、
品種が特別変わっているというわけではありません。
夏に収穫されるナスも秋ナスも、品種は変わりません。
むしろ夏に栽培していたナスをそのまま育て、秋に収穫したのが秋ナスなのです。
もちろん、植え付け時期をずらし、夏よりも秋に収穫するように、
栽培期間を工夫しているものもあります。
秋ナスの天ぷら!
■秋ナス 旬
秋ナスの旬は、やはり秋です。
けれど、秋と聞いて思い浮かべる時期は、人によって少しずつ異なります。
実際に秋ナスの名でお店に並ぶのは、9月~10月です。
早ければ8月下旬頃から秋ナスという名前で流通することがありますが、
やはり9月に入ってからの方が多くなります。
夏に栽培しているナスは、そのまま育てていたのでは、
秋まで体力がもたず、実付きが悪くなります。
そのため、一度暑い真夏の間に株をリセットして養生し、
再び実をつけるようになったものを収穫したのが、秋ナスです。
この養生して休んでいる期間が必要となるため、
収穫が始まるのが9月になることが多いのです。
株をリセットするために、更新剪定という作業を行います。
枝と根を大きく切り、新しい枝葉や根を発生させる作業です。
枝をかなり短く切りますし、せっかく広い範囲に伸びた根を切るので、
初心者にとってはとても勇気のいる作業ですが、この作業を行うことによって、
ナスはむしろ元気な状態を取り戻せます。
高温を好むナスも、日本の猛暑の中では生育が悪くなります。
そのような状態で無理に着果させても、体力を奪われるだけで、
着果した実の育ちも悪く、食味も期待できません。
枝や根を切ることで、暑さをしのぎつつ体力を回復させ、
秋に再びおいしい実をならせるのです。
更新剪定は、だいたい7月下旬~8月上旬頃に行います。
ここから再び花を咲かせて実をつけるようになるまで、1ヶ月ほどかかります。
そのため、秋ナスは9月以降の収穫が多くなるのです。
夏にたくさん収穫して疲れたナスも、真夏に休息することによって、
秋に果肉の締まったおいしい実をつけてくれます。
秋ナスは夏に収穫されるナスとは、また違ったおいしさがあります。
夏は冷やしておいしい料理が好まれますが、
秋になって気温が下がって涼しくなってきたら、
温かく調理したナスを食べるのもお勧めです。
■参考
・ナス 種からの育て方
・ナス 地植えの育て方
・ナス プランターの育て方
・ナス 鉢の育て方
・ナス 受粉のコツ
・ナス わき芽かき 摘芯
・ナス 更新剪定