大風が吹くことを想定して、支柱をしっかり組みましょう
ナスを栽培する時、風による被害を受けて、
株が弱りダメになることがあります。
台風がくる頃になって初めて対策する、という方が多いようですが、
植え付け直後や大きく生長してくると、
少し強い風が吹くだけで、大きな影響を受けることがあるのです。
[ナス 風対策]
■ナス 風の被害は?
ナスの苗を植え付けるのは、気温が高くなる5月頃ですね。
この5月頃というのは、意外と天気が荒れることが多く、
雨が何日も降り続いたり、晴天になって夏日のような暑い日があります。
南からの暖かい風が強く吹いたりすることもあるのに、
北風のように少し冷たい風が吹きすさぶこともあります。
ベランダ栽培の場合も、強風に注意します。
まだ弱い苗の時期にこの強い風に当たると、新芽部分が傷みます。
また、植え付け直後で根付いていない株は、株元がぐらつくため、
風であおられると株元が揺れて根が露出してしまうことがあります。
大切な新芽がチリチリに焼けたようになったり、
根が露出した状態を放っておくと、生育不良になります。
最悪のときは枯れてしまうこともありますし、
枯れなくても、回復までに時間がかかり、ナスの生長が遅れてしまいます。
ナスが生長してきて、株元がしっかりし、寒風の心配もなくなっても、
まだ風の悪影響に対しては油断できません。
ナスは品種によって、葉の裏や表面、実のヘタ部分などにトゲが出ます。
風が吹くことで、このトゲの部分が他の部分にこすれてしまい、
ナスのトゲが、お互いに傷つける状態になることがあります。
特に水ナスなど、皮が薄い品種のナスは、
トゲによる傷が増えやすいので注意します。
また、長く伸びてきた主枝には実がつき始めます。
重みの増した枝は、台風ほど強い風でなくても、煽られて倒れることがあります。
鉢やプランター栽培では、容器ごと倒れてしまい、ナスの枝葉が傷みます。
容器の中の土が乾燥して軽くなっている時に被害が出ることが多いので、
これにも対策が必要になります。
ナスのトゲは鋭いので、お互いに傷をつけてしまいます
■ナス 風対策は?
多少の風が吹いても、ナスの株が傷まないようにしておくことで、
順調に生育して実を収穫する近道になります。
植え付け後に、準備しておくと良い対策が、
いくつかあるので、ご紹介して行きます。
・袋による風よけ
苗を植え付ける頃は、まだ風が吹くと肌寒く感じることがあります。
ナスは高温を好む野菜なので、寒さは苦手です。
植え付けてすぐの小さな苗の新芽は、柔らかく弱いため、
冷たい風に当たると傷んでしまいます。
生長点が傷むと、回復し生育を始めるまでに時間がかかり、
調子を落としている場合には、そこで生長が止まってしまいます。
簡単に風を遮り、寒さも和らげる方法として、袋を使った防風があります。
袋は、耐水性の強いビニール袋がお勧めです。
中でも、培養土や牛糞堆肥など、園芸に使う資材が入った袋は、
厚手で丈夫な上に、ナスの防風にはサイズもピッタリです。
まずは袋の上下を切って筒状にして、植え付けた苗を囲むようにします。
袋がピンと張るように、内側の四隅に支柱を立てます。
飛んでいってしまうことはあまりありませんが、
心配であれば袋が浮き上がらないよう、
支柱を洗濯バサミではさむか紐で結びつけておきましょう。
・支柱
ナス栽培では、支柱は、とても大切です。
支柱は枝と実の重さに耐えられるよう、
150~200cmくらいの長さで、少し太め(11㎜)程度の支柱を選びましょう。
支柱を設置する時は、これ以上入らないというところまでしっかりと挿し、
必要であれば、合掌型で組んだり、
横方向の支柱の本数を増やして動かないようにしておきます。
主枝が伸びてきた時、支柱に誘引しておくことで、
風に吹かれても枝が動かないので折れません。
また、風に吹かれて枝ごと葉が別の枝葉と干渉し、
トゲで傷をつけるのを防ぐこともできます。
倒れにくい鉢 C)植木鉢:植木鉢・鉢カバー専門店グーポット
・重石
地植えででは必要ありませんが、鉢やプランターなどの容器栽培では、
容器ごと倒れないようにしておく必要があります。
土が乾燥して軽くなってしまうのは仕方のないことなので、
それ以外で容器が倒れないようにしておきます。
容器はプラスチック製の軽いものより、
テラコッタなどの重みのある容器を使うと、倒れにくくなります。
どうしても移動したい時があるため、
できるだけ軽い容器を使いたいという場合もありますね。
その場合は、容器の脇に丈の低い寄せ植えなどを置いて重石にします。
また、鉢植えにする場合は、座りの良い鉢を選びます。
下が細くなっている鉢は、上部が動くと揺れが起こり、倒れやすくなります。
できれば寸胴な形の鉢を使うと、倒れるリスクが減ります。