上手に育てると皮が軟らかくてジューシーに
栽培中のナスの皮が固い原因はなんでしょうか?
高温を好むナスは、6月に入ると収穫時期に入ります。
ナスは花が咲いてから実を収穫するまでに約1ヶ月ほどかかります。
しかし一番果実は、小さいうちに収穫すると樹勢が安定するので、
満足できるサイズの実がとれるのは2個目以降ということになります。
けれど待望の実を収穫して食べてみたら、
皮が固くて食べにくいということがよくあります。
ナスの皮が固くなってしまうのには、どのような原因があるのでしょうか。
[ナス 皮が固い]
■水・肥料不足
水や肥料が不足していると、皮が固くなりやすいです。
ナスは、水分と肥料を比較的多く必要とする植物です。
雨が少なく猛暑などで乾燥が早まったりすると、水分不足となって皮が固くなります。
特に鉢やプランターなど、容器栽培でナスを育てている場合は、
土の量が地植えよりも少ないため、乾燥しやすくなります。
ナスは最初から大きめの容器にたっぷり土を入れて育てるようにしますが、
それでも乾燥が激しくなることがあります。
その場合は、一回り大きい容器にナスを容器ごと入れて二重鉢にしたり、
株元に直射日光があまり当たらないようにすると、土の乾燥を軽減できます。
ナスは高温期になると、次々に花を咲かせ実をつけるため、肥料が欠かせません。
追肥をさぼってしまっている場合は、適量を与えて様子を見ましょう。
この時、今まで追肥していなかったからと、
いきなり大量の肥料を与えるのは、やめておいてください。
追肥をしているにも関わらず、花色が薄いなどの、
肥料不足のサインが出ていたら、水不足も併発しているかもしれません。
液体肥料を与えているのであれば、水不足はほぼ関係ないのですが、
粒状や玉状の肥料を与えている場合は要注意です。
粒状や玉状の肥料は、水分に触れることによって肥料成分が溶け出ます。
つまり、肥料だけ与えていても、水も十分に与えていなければ、
肥料成分が溶けだすことができずに、肥料不足に陥ることがあるということです。
過度な水やりや追肥はご法度ですが、
適切な量とタイミングの水やりと追肥は、ナス栽培には欠かせません。
ナスの葉や実、花の様子と土の乾燥具合をこまめにチェックするようにします。
健康に育ったナスは、皮が軟らかく美味しいです、とげなし千両二号
■低温・高温
ナスは高温を好む野菜といわれているため、
低温の時期は生育不良や受粉不良が起きやすくなります。
また、高温を好むといっても限度があるため、
猛暑日が続くとバランスを崩し、受粉不良を起こしやすくなります。
受粉不良が起きる原因はいくつかありますが、
皮が固くなるのは、低温や高温で正常な花が咲いていない場合が多いです。
一見すると問題ない花であっても、
花粉の出が悪かったりすることで、受粉不良が起きやすくなります。
受粉不良などが原因でホルモンバランスを崩したナスは、
着果しても大きく育たず、石のように硬い「石ナス(単為結果)」と呼ばれる状態になります。
>>ナス 単為結果とは?
植え付け直後や梅雨の低温になりやすい時期は、防寒対策をして気温を保ちます。
真夏の猛暑が続いた時は、繁茂している部分の葉を減らして、
風通しを良くするなどして、できるだけ涼しい環境を作ってあげましょう。
ナス、日当たりは好きですが、西日は苦手です
■直射日光に当たりすぎた
ナスは日当たりの良い環境を好みますが、
果実に直射日光が当たりすぎると、皮が固くなることがあります。
これはナスが過度な太陽の光から実を守ろうとした結果です。
だからといって、半日陰などに移してしまうと、
今度は生育不良になることがあるのでお勧めできません。
このような時は、西日を遮ってみましょう。
太陽の光が丸一日当たるような場所であれば、西日も当たることがあります。
夏の西日はとても強いため、西日を遮ってあげるだけでも、
日当たりを和らげることができます。
西日が当たる角度に合わせて遮光ネットをかけたり、
建物などの陰になるような場所を移動するだけでも、西日を遮ることができます。
西日を遮ることで、土の乾燥が和らぐことにもつながり、
水不足を軽減するのにも役立ちます。