ナスの更新剪定をして、花が咲くと嬉しいです、花の雌しべの様子で肥料の過不足も判断できます
秋ナスは嫁に食わすな、という言葉があるように、とてもおいしいナスです。
けれど、日本のスーパーでは、1年中ナスが並んでいます。
秋ナスの旬の時期とは、いつ頃なのでしょうか。
[秋ナス 旬の時期]
■秋ナスとは?
秋ナスの旬には、スーパーのポップにも「秋ナス」という言葉が目立つようになります。
そのため、秋以外の時期に売られているナスとは、別物のナスのように感じますが、
実は秋ナスと他の時期に流通しているナスは、同じナスです。
秋ナスといっても、秋ナス用の特別な品種があるわけではありません。
ナスを育てる時、一般的には5月上旬頃に苗を植え付け、栽培がスタートします。
順調に生育すれば、7月には収穫を開始できますが、
その後次々と実を収穫していると、ナスの調子が悪くなってきます。
これが成り疲れという状態です。
実をたくさんつけて、疲れて来たナス
また、7月中旬を過ぎると、各地でも梅雨明けとなるため、
気温が上がって本格的な夏が始まります。
ナスは高温を好む野菜ですが、日本の夏の暑さには、バテることもあります。
梅雨明け後の急な気温上昇によって、ナスが調子を崩すことも多いです。
こんな時、更新剪定と呼ばれる作業をすることがあります。
それまでに伸びた枝や根を一度短く切る方法です。
気温が高い時期には、良い実が育ちにくくなるものの、
株の生長が止まるほどではありません。
生長の遅い暑い時期に枝葉や根の再生をさせて過ごし、少し気温が下がった頃から、
また収穫を開始しようというのが、更新剪定の狙いです。
更新剪定後、約1ヶ月ほどすると、また花が咲き着果して収穫できるようになります。
再度収穫できるのが、9月~10月となり、
この時期に収穫するナスを秋ナスと呼んでいるのです。
ちなみに、農家によっては、標準的な露地栽培の作型よりも、
少し遅れて栽培を開始することがあります。
この場合は、更新剪定を行わなくても、
秋に実が収穫できるため、秋ナスと呼ばれます。
普通のナスはもちろん、長ナスや丸ナスも更新剪定で秋ナスを収穫できます
■秋ナス 旬の時期は?
秋ナスの旬の時期は、ズバリ9月~10月です。
9月に入っても、まだ残暑が残って入るものの、朝夕の気温は落ち着いてきます。
9月頃に育ったナスは、真夏に育ったナスに比べ、強い直射に当たっていないためか、
皮が薄くて肉質も柔らかく緻密で種も少なく、旨みもアップしておいしいと言われています。
これが秋ナスです。
つまり、秋ナスは、秋(9月~10月)に収穫されるから、秋ナスと呼ばれているのです。
ナスには水分が多く含まれているため、体を冷やす効果があると言われています。
夏の暑い時期にナスを食べるのは、理にかなっているのです。
秋になって朝夕が涼しくなってきても、日中はまだまだ暑い日が続きます。
昼間に体にこもった熱を冷ますのには、秋ナスも最適です。
けれど、食べ過ぎは禁物です。
食べ過ぎると体を冷やしすぎてしまい、お腹を壊す原因にもなり、
かえって体調が悪くなります。
おいしい秋ナスは、程よく味わいましょう。