Categories: ナス 品種

千両ととげなし千両の違い

千両

 

 

ナスにも色々な品種がありますが、
家庭菜園でもとても人気なナスが「千両」と「とげなし千両」です。

 

千両には「千両」と「千両二号」の2種類があり、
とげなしの方は「とげなし千両二号」のみの販売となっています。

 

見た目はどれも同じように見えますが、

品種名が異なるということは、何か違いがあるはずです。

 

千両二号ととげなし千両二号には、どのような違いがあるのでしょうか。

 

 

[千両ととげなし千両の違い]

 

 

 

 

■千両と千両二号の違い

 

千両を改良して作ったのが千両二号ですが、それぞれに違った良いところがあります。

 

・実の大きさ、食味
実の大きさや形には、それほど大きな差はありません。
どちらも皮が柔らかく、食味も抜群です。

 

ただ、千両よりも千両二号の方が、首が細くなりにくく、
見目の良い状態が維持できるという特徴があります。

 

また、実のサイズはそれほど変わりませんが、株姿に少し違いがあります。

 

千両はナスの中でも節間がやや長めですが、
千両二号はそれよりも節間が長いです。

 

そのため、千両よりも株が大きくなりやすく、広めの栽培スペースが必要となります。

 

・トゲのあるなし
トゲはどちらもあります。

 

・適した作型
千両の方はハウスでの栽培が多く、適した作型もハウス栽培、
トンネル栽培、露地早熟栽培、露地抑制栽培です。

 

対して千両二号は、半促成栽培、トンネル栽培、
露地早熟栽培、露地抑制栽培です。

 

ほとんど同じように見えますが、千両はハウス栽培に適していて、
千両二号は長期栽培の半促成栽培に適している点で、違いがあります。

 

ハウスでの栽培が可能ということもあり、
家庭菜園では千両二号が選ばれることが多いです。

 

また、生産農家では、千両と千両二号をうまく組み合わせることによって、
時期をずらした栽培が可能になります。

 

・栽培の注意点
どちらも草勢が強めですが、千両二号の方がスタミナが強く、
長期栽培にも適しますし、基本となる夏秋栽培でも、
栽培後半までしっかり収穫できます。

 

途中、夏の成り疲れが起こることが多いナスですが、
千両二号は成り疲れも起きにくく、収量が安定しています。

 

千両の方は、初期生育がとても良いので、スタートダッシュができるのが特徴です。
ただ、最初に力を使うため、途中で成り疲れを起こすことがあります。

 

 

 

 

■千両二号ととげなし千両二号の違い

 

千両二号ととげなし千両二号は、実を見ているだけでは、
特に違いがないように感じます。

 

けれど、実や葉、枝の他に、ちょっとした性質にも違いがあるのです。

千両二号ととげなし千両二号の違いを、項目ごとにまとめました。

 

・実の大きさ、食味
どちらの品種も、細長い卵形をした中長タイプのナスです。
表皮の色も、美しい濃い紫色をしていて、日本人がイメージするナスそのものです。

 

ヘタからお尻の先まで、黒に見えるほどの濃い紫色をしていて、
肉質も緻密で皮も柔らかく、どのような料理にも合います。

 

どちらも実のサイズや形も揃いやすく、家庭菜園でも生産農家でも、
育てやすく選ばれることが多い品種です。

 

わずかな差ではありますが、とげなし千両二号の方が、やや細身になりやすいです。

 

・トゲのあるなし
両者の最大の違いは、トゲのあるなしです。
千両二号は、実をよく見てみると、ヘタの部分にトゲがあります。

ヘタ部分だけでなく、葉にもトゲがあります。

 

対してとげなし千両二号は、名前にとげなしと入っている通り、
ヘタにも葉にもトゲがありません。

 

トゲのあるナスを栽培したことがある方は、このトゲに悩まされることも多いでしょう。

管理人も、実や葉にトゲのある千両2号で、とくに収穫時に擦り傷を負いました!

また、千両2号は草勢が強く暴れ気味です。

 

栽培中は、摘心や摘葉、水やり、追肥、収穫など、
栽培に関わる様々な作業中に、トゲが手や服にあたり、痛い思いをすることがあります。

 

また、実が風で揺れると、自身のトゲにこすれてしまい、傷つくこともあります。

 

家庭菜園レベルであれば、多少の傷はあまり問題になりませんが、
生産農家では、秀品率に直結するので、問題となるケースもあります。

 

とげなし千両二号であれば、トゲがないので、栽培している人もナスの実も、
傷つけることがありません。

 

家庭菜園を小さな子どもと楽しむ時も、安心して栽培できます。

 

・適した作型
どちらも、基本の作型は夏秋栽培です。
その他にも、半促成栽培やトンネル栽培など、適応範囲が広いことも共通しています。

 

・栽培の注意点
どちらも基本の育て方は同じです。
ただ、とげなし千両二号の方が、やや草勢がおとなしめです。

 

そのため、追肥のタイミングには、注意が必要です。

 

追肥を開始するのは、どちらも1番果収穫の頃からですが、
追肥をする間隔が変わります。

 

千両二号は、比較的草勢が強いため、1回目の追肥の後は、
草勢や柱頭の出方などを見て、追肥のタイミングをはかります。

 

とげなし千両二号の場合は、千両二号よりも追肥の間隔を詰め、
草勢が落ちない程度の間隔で追肥します。

 

また、収穫適期になった実は、とり忘れのないように収穫します。

 

着果数が多く草勢が低下した場合は、
通常よりも小さめの段階での収穫をこころがけると、株にかかる負担を減らせます。

 

■参考
・ナス 種からの育て方
・ナス 地植えの育て方
・ナス プランターの育て方
・ナス 鉢の育て方
・ナス 受粉のコツ
・ナス わき芽かき 摘芯
・ナス 更新剪定

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