ナスのわき芽を活用して収穫量を増やせます
ナスを仕立てる時、最初からまっすぐ上に伸びている主枝と、
一番花の下のわき芽を伸ばした枝とで、3本仕立てか2本仕立てにします。
プランター2本仕立て、空間があればもっと支柱を広げると良いです
地植え3本仕立て
最初からある枝を主枝と言い、
一番花の下のわき芽を伸ばした枝を側枝と言います。
枝の仕立てを決めた後は、主枝と側枝は放任状態にして、伸ばし続けます。
主枝と側枝は、100~150cmの丈になるため、支柱は100~150㎝を用意します。
主枝と側枝は、立てた支柱にしっかりと誘引し、実の重さで下がらないように、
株の中心まで光が入るように、枝を開いた形にしておきます。
ナスを育てるとき、わき芽かきと摘芯はとても重要な作業です。
わき芽かきと摘芯を行う理由と方法を、図と画像で分かりやすくご紹介します。
ナスの3本仕立て、主流の仕立て方です
ナスの2本仕立て
[ナス わき芽かき 摘芯]
■わき芽かき
ナスを育てていると、葉の付け根からわき芽が出てきます。
このわき芽は、放っておくと、勢い良く育ち花をつけるようになります。
これを聞くと、すべてのわき芽を育てたくなりますが、
わき芽の中には、摘むのが良いわき芽と、残すのが良いわき芽があります。
わき芽を取り除き摘むことを「わき芽かき」と呼びます。
この作業をすることにより、育てたい枝についた果実に十分な養分が回るようになります。
◎仕立て方とわき芽かき
1.まず、2本仕立てにするか、3本仕立てにするかを決めます。
3本仕立てのほうが初心者には作業がしやすいです。
2.2本仕立てにする場合は、一番花のすぐ下の節から出たわき芽を伸ばし、
3本仕立てにする場合は、一番花のすぐ下と、
さらにもう1つ下の節から出たわき芽を伸ばします。
3.伸ばすわき芽よりも下の節からもわき芽が発生しますが、小さいうちに摘みます。
4.わき芽は一時に全部の節から出るとは限らないので、
不要なわき芽が出てきたら、その都度摘むようにします。
5.わき芽かきが必要な節から出ている葉は、一番果を収穫したら摘み取るので、
葉がなくなった後であれば、後の不要なわき芽は目立つので見つけやすくなります。
わき芽を放任していると、樹が疲れて収量が減ります
■摘芯
ナスは、一般的に3本仕立てか2本仕立てにします。
この主枝と側枝につく花芽のみを着果させて育てると、
だいたい主枝や側枝1本につき、10~15個くらいの実が収穫できます。
3本仕立てなら少なくとも主枝と2本の側枝で30個を収穫できます。
さらに、この主枝や側枝から発生するわき芽を使うことによって、
大幅に収量を増やすことができます。
主枝と側枝を伸ばしていると、その葉の付け根からもわき芽が発生します。
このわき芽を育てると、そのうち花芽がつきます。
この花芽を着果させると、わき芽からも実を収穫することができます。
しかも1つのわき芽は、摘芯の作業を繰り返して行うことにより、
複数の実を収穫することができるのです。
プロの上手な農家さんだと、わき芽1つあたり、5個の実を収穫できます。
主枝と側枝2本に、だいたい10個のわき芽をつけさせるとすると、
1本の主枝で60個のナスの実を収穫することができるようになります。
主枝と側枝2本の3本仕立てなら、180個の実が収穫できる計算です!
ナスは葉が大きく、茂っていると樹形を見極めにくいですが、
摘芯の作業をしてわき芽をじょうずに育てることができれば、
1株でとてもたくさんの実を収穫することができます。
また、摘芯することで、ナスの樹の中まで日が当たり風通しも良くなるので、
ナスが元気に育ち病害虫の予防にもなるわけです。
◎摘芯の手順
1.主枝から発生したわき芽を「側枝1」とする。
2.側枝1に花芽がつき、その花の上に2枚~3枚の葉がついているのを確認する。
3.側枝1の花の上の葉を2枚残し、摘芯する。
4.側枝1の花が着果し、実が大きくなったら収穫する。
5.実を収穫する時、側枝1の付け根から2~3枚の葉を残して切り戻す。
6.側枝1から発生したわき芽を「側枝2」とする。
7.側枝2に花芽がついたら、その上に葉が2枚~3枚ついているのを確認する。
8.側枝2の花芽の上に、葉を2枚残して摘芯する。
9.これ以降は、4~8を繰り返し行う。
少しめんどうな作業に思われますが、
一回覚えれば、同じ作業の繰り返しで簡単です。
そして、たくさんのナスが収穫できます!
プランター栽培の場合は、用土が限られているので、
180個は無理ですが、放任するよりは格段に収量が増えます。