ナスの花や葉っぱのようすで肥料切れがわかります
ナスの栽培に、追肥はとても必要な作業です。
ナスは特に「肥料食い」な野菜と言われ、
適切な肥料を切らさないことが生育に欠かせません。
ナスを育てるためには、生長に必要な養分を肥料で補なうと、
樹勢が増し、花付きが良くなり、実付きも良くなります。
ナスは植え付けてから1ヶ月もすると、一番果が育つようになります。
そこから次々と花を咲かせ、実をならせるので、
養分が足りなくなると、その後の実付きが悪くなってしまいます。
ナスを元気に育て大いなる収穫を楽しむために、
追肥の時期や方法を覚えておきましょう。
*ナスの肥料の過不足は、花のようすでわかります
こちらの画像をご覧ください。
>>ナス 花が落ちる
[ナス 追肥の方法]
■ナス 追肥の与え方
追肥の方法にはいくつか種類があり、育てる植物に合う方法を選びます。
ナスの場合は、溝を作って肥料を与える溝施肥と、
株の周りにぱらぱらとまくばらまきの方法が適しています。
どちらも地植え栽培、容器栽培の両方に使えるので、覚えておくと便利です。
畝に溝を作って肥料を与える溝施肥の方法
・溝を作る
ナスを植えている周りに溝を作り、そこに肥料を与える方法です。
畝や長方形のプランターで育てている場合は、
畝やプランターの縁に沿って溝を作ります。
地植えであっても、畝を作らず育てている場合や、
鉢で育てている場合は、株の周りに円形の溝を作り肥料を与えます。
溝を作る場所は、株元すぐ近くではなく、少し離れた場所に作ります。
ナスは株元の近くよりも、根が伸びた先に肥料を与えた方が、
効率よく肥料成分を吸収することができます。
株が育っていくにしたがって、根の先端も広がっていくため、
肥料を与えるごとに、溝を作る場所も株元から離すようにします。
溝の深さは、1cm~2cmくらいで構いません。
あまり深く溝を作ると、溝を作る時に根まで傷めるので注意します。
化成肥料を溝に入れたら、上から土をかぶせておきましょう。
・ばらまく
溝を作らず、株元の周りに化成肥料を直接ばらまく方法です。
この場合も、株元のすぐ近くではなく、少し離れた場所にばらまくようにします。
根は少しずつ地中の外へ向かって伸びて広がるので、
ばらまく場所も少しずつ広げると効果が高くなります。
化成肥料をばらまいた後、
小クマデなどを使って、土の表面をかるく耕しておきます。
土の表面を耕すと、土と化成肥料が混ざり、肥料成分が染み込みやすくなります。
中耕の効果もあるので、水はけが良い状態を保つことができ、
新鮮な空気と水と養分を土に入れ込むことができます。
ただし、あまり深く耕すと根を傷めるので、表面を軽く耕すのがポイントです。
*中耕とは、野菜の生育中に、田畑を浅く耕すこと。
施肥後に効果を高め、地中の酸素を多くして野菜の生長を促します。
野菜用の液体肥料が手軽で安心です
■ナス 液体肥料の与え方
化成肥料だけでは肥料不足な時や、
容器栽培の場合の追肥として、液体肥料を与えることがあります。
液体肥料を与える時の濃度は、規定通りかやや薄めが鉄則です。
濃度を高くすると、株を元気にするどころか、
根が肥料焼けを起こし生育が悪くなり、枯れてしまうこともあります。
液体肥料を与える時は、水の代わりに与えるようにします。
液体肥料を与えた後に水を与えると、せっかくの肥料成分が流れてしまい、
先に水やりしても、土が湿っているため、肥料成分が残りにくくなります。
与える時はあまり高いところからかけず、株元に与えるようにしましょう。
■ナス 追肥のコツ
追肥をする時、特に化成肥料を与える時は、実は土の湿度が重要です。
化成肥料は水がかかることで、肥料成分が水に溶け出るようになっています。
肥料を与える時に土が乾いているのは問題ありませんが、
追肥の後に土が乾いていると、化成肥料から肥料成分が溶け出ず、
追肥の効果があまり期待できません。
追肥をした後は、たっぷりと水を与えるようにします。
定期的に追肥をしているにも関わらず、
雌しべが短くなったり、花の色が薄くなったり、樹勢が落ちるといった、
肥料不足のサインが出ることがあります。
単純に肥料が足りていない場合は、
液体肥料を追加で与えて様子を見ることで解消します。
ところが、与えた肥料がうまく効いていない場合にも、同じような症状が出ます。
ナスはもともと水を欲しがる植物です。
適度に水を与えることで、肥料成分も効くようになります。
水切れを起こさないよう、注意しましょう。