ナス、ピーマン、トマトなどナス科の野菜は、連作障害が起きやすいです
ナス科の野菜は、毎年、同じ場所や土で栽培すると、
生長が鈍り病気にかかりやすくなります。
3~5年くらいは、同じ場所や用土でナス科の野菜を栽培しないのが賢明です。
その他ウリ科、マメ科、アブラナ科は連作障害が起こりやすいです。
[ナスの連作は?]
■ナスの連作障害のしくみ
なぜ、ナスなどの連作に問題があるのかというと、
ナス科の野菜を植え続けると、土壌病害の発生が多くなります。
土壌病害とは、土壌伝染性障害とも呼ばれます。
土には、ウイルス、細菌、カビなどの病原菌や良性の微生物がいます。
ナスなど同じ科の野菜を栽培し続けると、
良い微生物が減り、病原菌がどんどん増えてしまいます。
病原菌が増えると、特定の病原菌が作物について繁殖します。
再び同じ科の作物を植えると、更に病原菌が繁殖していきます。
これが続くと、土の中が野菜に悪影響を与える、
病原菌で、いっぱいになってしまう。ということです。
さらに、微量要素、作物の栽培に少しだけ必要な養分である、
「ホウ素」「鉄」「マンガン」などの不足が起こります。
■連作障害の予防方法
1.土壌消毒を行う
ナスの主な連作障害は、「青枯れ病」「半身萎ちょう病」の二つです。
土中の病原菌が繁殖することによって起きやすくなる病気です。
また、微量要素が少なくなると、
葉が黄色くなったり、収量が落ちてしまいます。
けれど、家庭菜園では広さが限られているので、
前年と同じ場所でナス栽培をすることもあると思います。
その場合は、土壌を消毒して清潔に保つことが必要です。
薬剤を使用すると良性の微生物も殺してしまいますので、
太陽光を使う消毒方法をしましょう。
・地植えの場合
地植えの場合は、その場所を太陽熱消毒するのが良いです。
ナス科の野菜を収穫した後、夏季に畑の上をフィルムで覆い、
めくれないように隅に土や石で重石をします。
フィルムで覆った畑の土は、40℃以上の高温になります。
約10日間、そのままにしておくと、土中の殺菌消毒ができます。
プランター・鉢の用土も消毒して使うと安心です
・プランター・鉢の場合
ナス科の野菜を栽培したことのある土をそのまま使うと、
連作したのと同じことになります。
プランターの土中の菌は、数年間はあるため、
できれば新しい培養土を使用するようにします。
これが一番良い方法です。
古いプランター用土を使う場合は、
太陽熱消毒をするのが効果的で安心です。
太陽熱消毒は、真夏にすると効果的です
夏季に、土のゴミを取り除いてから、
7~10ミリ目のふるいにかけゴロ土を取り除きます。
ビニールのごみ袋などにふるった土と水を少し入れ、
口を閉じて日当たりの良い場所に約10日間置いておきます。
これで熱消毒をすることができます。
↓より詳しい用土の再生方法
>>古土の再生方法
2.適切な土作り・土壌改良
土づくりが不適切だと、連作障害が出やすくなります。
土の酸性度が強過ぎたり、排水性が悪い畑は問題です。
連作障害を防ぐために、
ナス栽培に最適な土作りをするようにしましょう。
日本は雨が多く、酸性土壌に偏りやすい環境です。
植え付け前には苦土石灰を入れるなどして、酸度を整えます。
また、腐葉土や赤玉土などを入れ、排水性も向上させます。
3.接ぎ木苗・耐病性品種を使う
接ぎ木苗を使うことで病害を防ぐことができます。
値段は、少し高めですが、本業の農家さんでは、接ぎ木苗を使い、
同じ場所に20年以上ナス科の植物を栽培しているそうです。
耐病性をもった品種を植えるのも効果的です。