ナスの開花数を増やす方法は?
ナスを育てていて、花が咲かないと実も収穫できずがっかりします!
多くの花を健康に咲かせるためには、大切なことがいくつかあります。
どれも基本的なことなので、日常的に気をつけて栽培すると、
おいしいナスができ、収量がぐっと増します。
[ナス 開花数を増やす]
■ナスを健康に育てるために
なんといっても、ナスの蕾を落とさず、思うように咲かせるためには、
ナスの樹を健康に育てることが第一です。
健康に育てることで株が充実し、枝が良く伸び、花芽もつきます。
株に十分に体力があれば、開花後に着果しても実がぐんぐん育ちます。
ナスを丈夫に育てるためには、特に難しいことは何もありません。
基本の管理をきちんとしていれば育ちます。
1.日当たり良く
ナスは太陽の光が大好きです。
日当たりの悪い場所では育たないとよく聞くかと思いますが、
どの程度の日当たりの悪さなら育ちにくくなるのか分かりませんね。
最も良い状態は、周りに遮蔽物など建物が何もなく、
朝日から夕方くらいまで一日中、日光が当たる場所です。
西日に当たっても、ほぼ問題はありませんが、
夏の西日は強すぎるので、当たらない方が良いことがあります。
しかし、そこまで日当たりが万全な場所も、
家庭菜園ではなかなか見つけるのが難しいかと思います。
なので、朝から午後3時頃まで、
できるだけ日の当たる場所というのが理想に近い環境です。
午前中だけ日の当たる場所は、半日陰と呼んで日当たりが良いとはいえません。
半日陰は、他の日陰を好む草花や耐陰性のある植物にとっては良い環境ですが、
ナスにとっては、日光が不足し育ちにくい環境です。
ナスは日当たりのとても良い場所で育てていたとしても、
天気の悪い日が続くだけで調子を崩すこともあります。
それだけ光を求める性質があるため、多くのの花を咲かせたいのであれば、
できる限り日当たりの良い場所で育てることが必要になります。
ナスは、半日陰や日陰の環境では、生育が遅くなったり、
やや徒長気味になったとしても、枯れることはあまりありません。
実もやや小さくなっても、収穫までこぎつけることができます。
ただし、花数を増やし、適度のサイズの実を収穫するには無理が出ます。
2.水やりを適切に
ナスにとっては、水も大切な要素です。
ナスは葉が大きく、根から吸いあげた水分を蒸散する量が多いです。
花を咲かせるためにも、花芽を作ったり蕾を大きくするために水分が必要です。
さらには花が咲いた後、実がなる時にも大量の水を必要とします。
このように、ナスは生育のどの段階でも水分をたくさん必要とするため、
水切れを起こさないように育てる必要があります。
水切れを起こすと、せっかくついた蕾が落ちることもあるため、
花数を増やし実を増やすことができません。
かといって、いつも水が湿っていれば良いわけではありません。
根の周りの土に湿り気があり、それを根が吸うことで周りの土が乾く。
土がほぼ乾いたら水やりをすることで土が湿り、
根が水分を吸収するというサイクルが根を丈夫にし生育を良くします。
必要以上の水分が常にあると、根が傷んでしまいます。
地下の根が傷めば、地上部の枝葉や花もうまく育たなくなります。
特に苗が小さいうちは、夜間に土が湿りすぎていると、徒長する原因となります。
株がまだ小さいうちは、まだ気温も高すぎることもなく、
葉の数も少ないため、思っているより土が乾かないことがあります。
水やりをする前には必ず土の状態を確認し、
湿っている場合は水を与えないようにしましょう。
30リットル深型プランターに植え付けたナス
3.肥料を切らさずに
ナスは枝を伸ばしで葉を開き、蕾をつけて花を咲かせ、実をつけて肥らせます。
どの生長過程でも、ナスにとってはとても体力のいることです。
生長するためには養分が必要不可欠です。
ナスはとくに肥料が切れてしまうと、枝や葉が伸びなくなるばかりか、
ついている花がぽとりと落ちてしまったり、
着果しても小さいまま大きくならないことがあります。
定期的に追肥を行い、肥料は切れないように注意しましょう。
特に鉢やプランターで育てていると、
水やりをした時に容器の底から余分な水が出ます。
この時に水に染み出た肥料の成分も一緒に流れて出てしまいます。
必要以上に水やりをすると、必要な肥料成分も一緒に流すことになり、
定期的に追肥をしていても肥料不足のサインが出ることがあります。
水やりをする時は、必ず土の表面が乾いてから行い、
肥料切れのサインが出た時は、
即効性のある液体肥料を水代わりに与えて様子を見ます。
■ナスの樹勢診断をする
ナスがしっかり育っているかどうかは、株を見ていると分かります。
日頃から、ナスの樹勢診断をするようにします。
肥料切れや水切れ、病気や害虫の被害に合っていたり、
日当たりが悪いなど環境が合っていないと、ナスは調子を崩します。
サインを見逃さないようにこまめにチェックするようにしましょう。
1.葉を観察する
葉の色が変色していたり、虫にかじられたような痕がないかを見ます。
葉の色が全体的に薄い場合は、肥料不足かもしれません。
また病斑が出ている場合は、何か病気にかかっている可能性があります。
また水やりをしたのに葉が萎れたようになっている場合は、
病気にかかっている可能性や根が傷んでいる可能性があります。
2.枝を観察する
枝は伸びていればそれでいいというわけではありません。
節と節の間が妙に長い場合は、徒長しています。
徒長は、苗が小さいときに土が湿り過ぎたり、日当たりが悪いことで起こります。
一度徒長した株は、なかなか正常に戻すことができないので、注意しましょう。
また、枝は伸びるのに花芽がつかない場合は、窒素肥料が多い可能性があります。
3.花を観察する
花を見ると、ナスの栄養状態が良く分かります。
花の中にある雌しべと雄しべのうち、雌しべの方が短い場合は、
肥料不足になっています(=短花柱花)。
また、花弁の色が薄い場合も肥料不足の可能性があります。
*花の画像など詳しくは、こちらをご覧ください。
>>ナス 短花柱花とは?
■参考
・ナス 種からの育て方
・ナス 地植えの育て方
・ナス プランターの育て方
・ナス 鉢の育て方
・ナス わき芽かき 摘芯
・ナス 更新剪定