チョウセンアサガオ(エンジェルズ・トランペット)は、幻覚剤より強い毒性を持ちます
ナス栽培では、毒に関する注意はほとんどされていません。
もちろん、スーパーで市販されているナスにも、
家庭菜園して育てたナスには、基本的には毒が含まれていません。
ところが、中にはナスが毒を持つケースもあるのだそうです。
ナス栽培で注意すべき毒とは、どういったことなのでしょうか。
[ナス栽培 毒]
■ナスに毒!?
沖縄に住む夫婦が、ナスを食べたことによって毒を食べた時のような症状を出し、
病院に運ばれたという話があります。
以前、とあるテレビ番組で再現ドラマが作られて放送された話なのですが、
実はこれ、架空の話ではなく、実際にあったことなのです。
ナスと同じナス科の植物の中には、毒をもっているものも多くあります。
けれど、食用として改良されたナスには、基本的に毒は含まれていません。
ただ、同じ食用のナス科であるトマトやジャガイモなどは、
可食部の状態によっては、毒をもっていることもあります。
トマトは、まだ実が青いうちは、毒性のある成分が多く、
熟している過程で、その成分が減っていくそうです。
ジャガイモは、塊茎を食用とする野菜ですが、
この部分に光が当たることによって、緑色に変色します。
これは緑化と呼ばれる現象ですが、
この緑色に変色した部分には、毒が含まれています。
そのため、皮が少し緑色っぽくなっているものは、
緑の部分がなくなるまで厚く皮を剥くか、処分して食べないようにします。
また、ジャガイモには芽にも毒があります。
皮が緑色になっていなくても、芽の部分はくりぬいてキレイに取り除いてから、
調理に使いましょう。
ナスの接ぎ木苗は、信用のある店で購入します
■ナスの台木に要注意
沖縄であったナスによる中毒は、接木に使った台木が原因でした。
同じナス科であるチョウセンアサガオは、
観賞用の植物として、日本でも苗が普通に販売されています。
チョウセンアサガオは、茎や葉、花、根に至るまで、全草に毒があります。
幻覚剤より強い毒性を持ち、決して食用になることはありません。
そのチョウセンアサガオを台木として、ナスの苗を穂木として接いだ結果、
チョウセンアサガオの毒がナスにも伝わり、中毒症状が出たそうです。
*チョウセンアサガオは、ナス科の植物で、エンジェルズ・トランペット、
ダチュラ、マンダラゲ、キチガイナスビなどと呼ばれます。
日本で生産されている接ぎ木苗の台木に、
チョウセンアサガオが使われることは、ほとんどないようです。
それでも、接木苗を購入する時は、信用のある店を選ぶか、
台木に何を使っているのかをチェックした方が、安心です。
チョウセンアサガオの実
■怪しいと思ったら食べない
台木に毒性のある植物が使われていない場合であっても、
何等かの影響によって、ナスに毒が発生することもあります。
普通の接木苗を購入して育てたはずなのに、他とは雰囲気の違う実がつき、
それを食べたら中毒症状が出た、という話もあります。
そのナスは、通常なら濃い紫色の表皮をしているはずなのに、
紫に緑が混ざったような色をしていたそうです。
それを食べた人は、激しい嘔吐や下痢、
しびれといった症状が出て、病院に運ばれました。
接木苗だから必ず毒性があるとは限りませんが、
様子のおかしい怪しい実ができていたら、迷わず処分するのが安全です。
無理に食べても、体に毒になる可能性が高いです。
■参考
・ナス 種からの育て方
・ナス 地植えの育て方
・ナス プランターの育て方
・ナス 鉢の育て方
・ナス 受粉のコツ
・ナス わき芽かき 摘芯
・ナス 更新剪定