植え付け後のナス、もっと耕してから植えたいですね
ナスの苗を育てたり購入して大事に植え付けたのに、
いくらもしないうちに萎れたようになり枯れてしまうことがあります
ナス苗が枯れる理由と対策をご紹介します。
[ナス苗 枯れる 理由と対策]
■寒さに当たった
ナスは熱帯原産の野菜で、暑さには強いのですが寒さに弱い性質があります。
植え付け時期が早いと、遅霜や冷たい風に当たり、萎れたようになります。
気温が十分に上がった5月頃に植え付けを行うか、
早植えする場合や寒さが気になる場合は、防寒をしておきましょう。
第一ビニール 苗キャップ
ホットキャップというプラスチック製のドーム型のものを苗にかぶせたり、
大型ペットボトルの下半分を切ってかぶせると、
トンネル栽培をすると、冷たい風や寒さを防げます。
霜の心配はないけれど、風がふくと冷たい日があるという場合は、
苗の四方に支柱を立て、苗の周りをビニールなどで囲います。
ビニール囲いをすることで、横から冷たい空気が当たることがなく、
日照の邪魔になることもありません。
畝にビニールマルチを敷くのも、地温を上げる効果があります。
■水切れを起こした
ナスの苗が根付くまでの水切れが、いちばん深刻なことが多いです。
苗を植え付けて、根付くまでの1~2週間くらいは、
ナスの根はまだ苗が入っていたポットより外に出ていません。
そのため、広い範囲で水分を吸収することができません。
植え付け時の根鉢部分が乾いてしまうだけで、
水切れの症状が出やすいので、根付くまでは水の管理に注意します。
同じナス科であるトマトと並べて植えたけれど、ナスだけ萎れてしまった場合や、
植え付けから間もなく症状が出た場合は、水切れが原因のことが多いです。
トマトは同じナス科であっても、乾燥に強い性質があります。
反対に、ナスは乾燥に弱い性質で、水切れを起こすとすぐに萎れてしまいます。
雨が降っても、ナスの大きな葉で株元には雨が当たらないこともあるので、
根付くまでは株元の土の乾き具合を、こまめにチェックして水やりします。
>>ナス 水やりのコツ
水切れは、たっぷり灌水してようすを見ます
■土壌が不適切
苗を植え付けた土の状態が悪い場合も、萎れて枯れてしまいます。
特に地植えの場合は、土作りをしてから苗を植え付けるため、
土作りが適していないと、枯れる原因になりやすいです。
また、耕し方が浅かったり粗いと、苗は根を張ることができません。
また、酸度調整をするために苦土石灰を入れますが、規定量を守ります。
苦土石灰は酸性に傾いている土を、中和するために加えます。
例えば大量の苦土石灰を入れると、強アルカリ性に傾いてしまい、
作物を育てるのには向かない土壌になります。
さらに、化成肥料などの元肥が、ナスの苗の根に触れる場所にあると、
根が肥料焼けを起こして枯れることもあります。
土作りはナス栽培でとても大切な作業なので、最善を尽くしましょう。
>>ナス栽培の用土
■病気にかかった
水切れが原因ではなく、突然全体が萎れたようになったり、
片側半分だけが萎れたようになった後、枯れてしまう場合は、
病気にかかっている可能性が高いです。
ナスがかかりやすい病気の中に、青枯れ病や半枯病、半身萎凋病があります。
青枯れ病は株全体が、半枯病と半身萎凋病は片側半分が萎れて枯れてしまいます。
青枯れ病の場合は、病斑などが出ることがほとんどなく、
葉が青い状態で枯死するので、この名前がつきました。
どの病気も発生してから枯死するまでの時間が早く、
発見してからでは、救えないことがほとんどです。
病気だと判明した苗は、ほかに染さないように取り除き焼却します。
接ぎ木苗は、病気に強いです
◎接ぎ木苗を使う
耐病性のある接ぎ木苗を用いることで、病気予防になります。
ここで注意したいのが、自根や葉を絶対に出させないことです。
接ぎ木苗は、病気に強い台木と、おいしい実のなる穂木を接いでできる苗です。
病気に強い台木の根を張ることで、土壌から感染する病気を防ぐのですが、
穂木からも根が出てしまうことがあります。
穂木から出る根(自根)は、病気に耐性がなく、病気にかかりやすいため、
自根を広げてしまうと、接ぎ木苗であっても病気にかかりやすい苗となります。
自根が出ないようにするために、苗を植え付ける時には、
接いだところを土に埋めないくらいに浅植えにします。
■ナス苗を枯らさない対策
・苗木を寒さに当てない
・土づくりをしっかり行う
・病気の苗は取り除き焼却する
・接ぎ木苗を使う
■参考
・ナス 種からの育て方
・ナス 地植えの育て方
・ナス プランターの育て方
・ナス 鉢の育て方
・ナス 受粉のコツ
・ナス わき芽かき 摘芯
・ナス 更新剪定