Categories: ナス栽培Q&A

ナス 実がおかしい

ナスの実の様子がおかしいのことには理由があります

 

 

ナスの実をいざ収穫してみると、表面の皮に斑点ができていたり、
傷のようになっていたり、色が薄かったり、赤い実がなったりと、
様々なトラブルが起こることがあります。

 

症状によって原因が違い、
中にはその後のナスの生育に影響するものもあるため、

よく観察しチェックしておきましょう。

 

 

[ナスの実がおかしい]

 

 

■色が薄い

 

ナスの実の色といえば、黒に近いようなとても濃い紫色です。
最近では、皮が白や黄緑色の品種もあり、濃い紫色ではないことがあります。

 

ところが、濃い紫色になるはずのナスが、薄い紫色になることがあります。
これは日照不足が主な原因です。

 

ナスは太陽の光を浴び、その結果としてあの濃い色になるのです。
日照不足は色を薄くするだけでなく、株を徐々に弱めることもあるので、
できるだけ早期に改善しておきます。

 

 

色ツヤがないと、美味しそうに見えませんね

 

 

■表面にツヤがない

 

ナスの表面は、本来つるっとしていて、つやつやと輝いているものです。
ところが、表面にツヤがなく、張りがない実ができることがあります。

 

これは「ぼけナス」と呼ばれるもので、水分不足によって起こる症状です。
ヘタの周辺から症状が出ますが、ひどいものになると、
実全体のツヤがなくなってしまいます。

 

土が乾きすぎないように、株元にワラなどを敷くと、
土が高温になって水分が蒸散するのを防ぐことができます。

 

 

ホコリダニの被害のようです

 

 

■実に傷がある

 

実の表面に、裂けたような傷や、丸い傷などがつくことがあります。
これはたいていが害虫の仕業なので、見つけたら株全体をよく調べます。

 

サビが出たような状態や裂けたような傷が出た場合は、ホコリダニが原因です。
赤い色をしているため、小さくても発見しやすいです。

 

丸い傷や、穴があいたようになっているものは、
ヨトウムシなどの幼虫が食害している可能性が高いです。

 

ヨトウムシは明るいうちはあまり見かけず、
夕方以降に暗くなる頃から活動を始めます。
実や葉、茎の周辺に糞が見つかれば、確実にどこかにはいます。

 

昼間に見つけることができなくても、
夕方以降に調べてみると、見つけられることがあります。

 

 

ニジュウヤホシテントウ

 

 

表面にガタガタとした長い傷がついている時は、
ニジュウヤホシテントウが原因です。

 

成虫、幼虫ともに葉や実を食害するため、とても厄介です。
専用の薬事を使って防除することもできますが、
できるだけ薬を使いたくない場合は、見つけ次第捕殺するようにしましょう。

 

 

■実に茶色い斑点がある

 

ナスの実の表面に、茶色や少し黄色っぽい斑点ができることがあります。
斑点の形はキレイな円ではなく、変形した楕円であることが多いです。

 

こういった症状が出る場合は、病気にかかっている可能性が高いです。

実の表面に病斑ができる病気は意外と多いですが、
病気のサインとしては分かりやすいため、見つけたらすぐに対処します。
炭そ病褐紋病疫病などが該当の病気です。

 

 

台木に使う赤ナス

 

 

■赤い実がなった

 

本来であれば、濃い紫色の実がつくはずなのに、赤い実がなることがあります。
これは接ぎ木苗を育てていると、時々起こります。

 

接ぎ木苗は、病気に強い台木に、ナスなどの実をつける穂木を接いで作りますが、
その台木の方が育ってしまい、実をつけた状態です。

 

台木と穂木を接いである部分や、
その下から出てくる芽は台木が伸びているものなので、

見つけたら、すぐに摘み取るようにします。

 

そのままにしておくと、台木から伸びた芽にばかり養分が集中し、
肝心の穂木の実が育たなくなります。

 

台木の芽かどうかは、葉を見れば一目瞭然です。
卵型の葉の穂木に対し、台木でよく使われる赤ナスの葉は、縁がギザギザしています。

 

 

■実にカビのようなものが生えた

 

実の表面に、白っぽい色や灰色のカビのようなものが発生していたら、
何かの病気にかかっています。

 

灰色かび病綿疫病疫病などにかかると、このような症状が出ます。
薬剤で防除できる病気もありますが、かかると株ごと処分が必要な病気もあるため、
できるだけ病気のかかりやすい環境を作らないようにします。

 

 

■実がぶよぶよしている

 

表面のツヤがなく、触るとぶよぶよとしている場合は、
軟腐病にかかっている可能性があります。

 

軟腐病は、花や茎、実がぶよぶよと柔らかくなり、腐ったようになっていく病気です。
連作、排水不良、風通しの悪さによって、発生する確率が上がります。

 

 

低温かホルモンバランスが悪い変形ナス

 

 

■実の形が変形している

 

普通サイズのナスに小さなナスがくっついたようになっていたり、
いくつものナスが1つのヘタから育っていたりと、
少し普通とは違う形のナスがとれることがあります。

 

これは受粉時の気温が低かったり、ホルモンバランスが悪いと起こる症状です。
見つけ次第、株ごと引き抜いて処分するようなものではありませんが、
今後の生育には十分注意が必要です。

 

気温が低い場合は防寒が必要になりますし、
ホルモンバランスの乱れは肥料の与えすぎの可能性があります。

 

また、変形したものの中には、傷があるものもあります。
ナスは表面に傷ができると、その部分の皮がうまく伸びず、変形することがあります。

 

傷は風によって、枝などにすれてできる場合もありますが、
害虫に食害されてできることもありますので、注意しましょう。

 

■参考
・ナス 種からの育て方
・ナス 地植えの育て方
・ナス わき芽かき 摘芯

nasudaisuki

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