やや調子の悪いナス
ナスを育てていると、大きくなってきた実が割れる(裂果)することがあります。
割れ方にも種類があり、表面がひび割れたり、ぱっくりと裂けるなど様々です。
ナスが割れてしまうのには、原因があります。
できるだけ割れる原因を作らないようにし、
もし割れた実ができた場合は、何が原因かを突き止め、
その後の実が割れないようにします。
[ナス 実が割れる]
■ナス 実が割れる
・温度差が大きい
最高気温と最低気温の差が大きくなると、実が割れることがあります。
ナスは、たいへん高温を好む植物です。
夜間の気温がぐっと下がるのが分かっている日は、
寒冷紗などをかけるなどして、防寒をしておくと予防になります。
湿度の差が大きいとナスの株も弱ってしまいます
・湿度の差が大きい
日本は雨の多い国ですが、同時に夏には雨が降らず、晴天が続くこともあります。
何日も雨が降る日と晴天の日が交互に起こると、土の湿度が安定しません。
土が乾燥しているところに、雨で大量の水が入り込むと、
ナスが水分を大量に吸い上げてしまい、実を急激に肥らせます。
急激に大きくなった実の皮は、生長に耐えられなくなり割れてしまいます。
余分な雨が入り込まず、かつ乾燥を予防することができるよう、
マルチ栽培をするのがお勧めです。
マルチは畝全体にシート状のマルチをかぶせてもいいですし、
ワラなどであれば植え付けた後でも敷くことができます。
また、地植えで育てている場合、何日も雨が降らなくても、
ナスの葉自体が萎れることが少ない場合があります。
葉が萎れていなくても、土が乾いていれば、
必要な水分を根が吸い上げることができません。
葉の状態に関係なく、土が乾いていたら水を与えるようにしましょう。
◎結実中に大葉を摘まない
また、実がついている状態で、大きな葉を何枚も切ってしまうと、
水分の蒸散量が変わってしまいます。
それまでと同じだけの水分を吸いあげても、
蒸散する葉がなくなっているため、余った水分が実に集中します。
その結果、大雨が降ったわけでもないのに、
急激に実が大きくなり、実が割れることもあります。
ナスの傷んだ葉を取り除いたり、小さい芽や側枝を摘芯するのは問題ありませんが、
大きな葉をむやみに摘むのは控えましょう。
・強風に吹かれた
夏は、台風がやってくる季節です。
それ以外でも、高層階のベランダや山の麓などでは、強風が吹きます。
強い風は、ナスの重い実も揺らすほどで、
風に揺さぶられた実は、周りの枝や葉のトゲなどに擦れてしまいます。
生長途中のナスの実の皮は柔らかく、傷がつきやすいものです。
風であおられてついた傷は、ひび割れたようになり、
そこからぱっくりと大きく割れてしますこともあります。
ナスは、風通しの良い場所で育てることが肝心ですが、
強風にはできるだけ当てないように注意します。
台風などの情報がある時は、枝が折れないように支柱にしっかりと誘引しておき、
実は小さめのものも収穫しておいた方が良いでしょう。
害虫により弱っているナスの株
・害虫によるもの
ナスの実は、害虫に食害されることでも割れてしまいます。
ヨトウムシなどのイモムシ系の害虫に食害された場合は、
割れたというよりも、実に穴があいたようになります。
実が割れるような被害が出るのは、
ホコリダニ・ニジュウヤホシテントウ・カメムシなどの害虫が食害した時が多いです。
これらの害虫は、イモムシ系のように実を大きくえぐるわけではなく、
表面をかじって傷をつけます。
ナスは実に傷をつけられると、その部分の皮が伸びず、形が曲がってしまいます。
また、傷がついた状態の時に、大量の水分を含むと、一気に実が膨らみます。
その時、傷部分の皮が伸びずに、そこから割れてしまうこともあります。
まずは害虫がつかないように、適切な環境で育てるようにします。
もし害虫の被害に合った場合は、できる限り駆除するようにします。
捕殺できるものは捕殺し、どうしてもの場合は薬剤を使う方法もあります。
ホコリダニなどの被害が大きい場合は、
一度更新剪定をかねて被害の出ている葉を落としておきます。
そうすることで、新しい葉を伸ばし、
株をある程度、健康な状態にリセットすることができます。