ナスを育てていると、最初はキレイな艶の実がついていたのに、
しだいに実に艶がなくなることがあります
このナスの実に艶がない状態とは、
どのような原因で起こり、その対策はあるのでしょうか。
[ナス 実に艶がない]
■ナス 実に艶がない原因は？
ナスの実は、本来表面がつやつやとしていて、新鮮でハリがあります。
ところが、表皮に艶がなく、
どこか色も薄く感じるような実ができることがあります。
こういった艶のない実を「ボケナス」と呼びますが、
これは実の生長に時間がかかり、強い光にさらされ続けた結果、
表皮の艶が失われたものです。
艶のない実がつく原因は、いったい何なのでしょうか。
・水切れ
ナスはとても水分を欲しがります。
特に梅雨明け後は、雨や曇りの日も減る上に、気温もぐんと上がるため、
水分を多く欲しがるようになります。
梅雨明け前と同じ水管理では、すぐに水切れを起こします。
・根が弱っている
たくさんの実をつけ続けたり、株元に強い直射日光を受け続けたり、
ひどい水切れを何度も経験したりすると、丈夫なナスの根も弱っていきます。
根が弱ると、根自体の生長が悪くなる上に、養水分の吸い上げも悪くなります。
地上部の枝葉は茂り、花は次々と咲いて実もついているのに、
根が弱っている状態では養水分がまったく足りません。
養水分が足りなければ、その分実の生長も遅くなり、実に艶がない状態が増えます。
・収穫が遅れた
収穫適期になっているのに、
見落として収穫しないまま放置していると、艶がなくなります。
艶のないナスでは、食欲も湧きませんね
■ナス 実に艶がないときの対策
艶のないボケナスは、食感も悪く、種が多いこともあり、
ナス本来の風味も少ないため、おいしいとはいえません。
せっかくナスを育てているのですから、おいしいナスが食べたいものです。
おいしいナスを収穫するため、実に艶がないナスを防止するためにも、
日ごろから対策をしておきましょう。
・過度な乾燥に注意
水切れを起こすと、ナスは途端に生育が落ちます。
ナスが水分を多く欲するという理由もありますが、
乾燥によって肥料が効きにくくなるため、生育不良になるという理由もあります。
肥料の多くは、水に肥料成分が溶け出ることによって、
根が吸収して株の生長に使われます。
水が足りずに土が乾燥すると、
追肥をしていても肥効が出ず、肥料切れと同じ症状が出ることもあります。
梅雨明け後はもちろん、梅雨の間も雨が降らずに晴れが続くと、
すぐに水切れを起こします。
高温を好むナスだからこそ、高温期は生育が活発になり、水分を多く欲します。
プランター栽培などでは、土の量が制限されているため、水切れしやすい環境です。
特に雨の当たらないベランダで育てている場合は、注意してください。
土が乾いていると感じたら、朝と夕方の両方に水を与えましょう。
地植えでも、晴れの日が続いたり、生育が悪いなと感じた時、
土が乾きやすくなっている時は、適宜水やりをして土を潤しましょう。
摘果したナスも、漬け物に美味です
・敷きワラをして地温を下げる
梅雨明け後は、雨による地温低下の心配は減りますが、
今度は強い光が当たることによる、地温の上昇が気になります。
いくらナスが高温を好むといっても、地温が高くなりすぎれば、調子を崩します。
ナスが生育しやすい地温を保つためにお勧めなのが、敷きワラです。
地面に陰を作ることで、地温の上昇を防ぎます。
通気性も通水性も良いので、ナスにはぴったりの資材です。
すでにビニールマルチを畝にかぶせている場合でも、
ビニールマルチの上から敷くことができます。
・着果数を減らす
気温が上がると、地上部の生育が良くなっているように見えますが、
それに根がついていけず、艶のない実が多くなります。
枝が伸びて花が次々と咲きますが、すべての実を育てると、
ボケナスの発生が多くなります。
一度に多くの実をつけさせず、摘果をして着果数を減らしましょう。
一度についている実の数を減らすことで、根の負担が軽くなり、
実の生長が遅くなりにくく、艶のない実の発生を軽減できます。
■参考
・ナス 種からの育て方
・ナス 地植えの育て方
・ナス プランターの育て方
・ナス 鉢の育て方
・ナス 受粉のコツ
・ナス わき芽かき 摘芯
・ナス 更新剪定