梅雨に入っても元気に開花し、実をつけるナス
ナスを定植して、やっと根付いて育ち始め着果したりする頃、
ちょうど梅雨の時期にさしかかります。
ナスは水を好む野菜ですが、雨の日が続くと湿気が高くなり、
病気にかかりやすくなったり、日照不足になることもあります。
じめじめとした梅雨を乗り切って、
たくさんの実を収穫するための秘訣をご紹介します。
[ナス 梅雨対策は?]
■降雨時に作業をしない
雨が降っている時に、実の収穫や整枝、わき芽かきなどの作業をすると、
作業によってできた傷口から菌が入りやすくなってしまいます。
また、傷口がいつまでも乾かないので、
そこから枯れこんだり腐敗したりする原因にもなります。
できれば作業は晴れた日の午前中に行い、
午後には傷口が乾いているようにしておくと安心です。
■風通しを良くする
雨が降らなくても、梅雨の間は湿度が高くなりやすくなります。
湿度の高い時に、枝と枝と近かったり、
葉が重なったりしていると風通しが悪くなります。
風通しが悪くなれば、そこが病原菌の繁殖場所になったり、
害虫の巣窟になりやすいです。
また、株の内部を目視しにくくなるので、変化に気づきにくくなります。
風通しが悪いということは、
株の中心への日当たりが悪くなっている可能性があります。
梅雨は天気の悪い日が続きやすく、雨や曇りの日が続くと、
太陽の光が大好きなナスは弱って元気を失いやすいです。
晴れた時には、株の中心までいっぱいの光を入れられるよう、
風通しを、じゅうぶん良くしておきましょう。
★マークの150㎝の支柱で2本仕立てにしたら、風通しが良く着果が良いです
■余分な葉を取り除く
雨続きで日照不足になったり、少し調子を崩したりすると、
ナスの葉や花が黄変して落ちるようになります。
落葉してしまうのも心配なのですが、
この落ちた葉をそのままにしておくのも良くありません。
落ちた葉が、別の健康な葉の上に落ちたり、
株元にくっつくようにして落ちてしまうことがあります。
枯れた葉が重なった健康な葉は、重なった部分が陰となってしまい、
光を受けることができなくなります。
また、湿気や水分が溜まりやすくなり、そこから傷みやすいです。
株元に落ちた場合も同様に、その部分の風通しが悪くなることで、
病気にかかる可能性が高くなります。
落葉した原因が病気なら、落ちた葉は病原菌の温床となります。
そのような葉がついた状態だと、近くの葉や株元から感染しやすいです。
落葉した葉や花があったら、すぐに取り除いて処分しておきましょう。
また、雨によって土が跳ね返って葉の裏に泥がつくと、
そこから菌が侵入することもあります。
黒ビニールのマルチなどをしている場合は、泥跳ねを予防できますが、
何もしていない場合は泥跳ねの注意が必要です。
地際から2節くらいまでの葉を摘んであげることで、
跳ねた土が葉の裏につくのを防ぐことができます。
株元にワラなどのマルチを敷くことで、泥跳ねを予防することもできます。
植え付け時にマルチをしなくても、ワラなら後から覆うことができるので便利です。
■思わぬ水切れに注意する
梅雨は湿気が高く、雨が続くイメージがありますが、
意外と雨が降らず空梅雨ということもあります。
曇ってはいるけれど、実際には雨がほとんど降っていなかったり、
降ってもぱらぱらと短時間降っただけでは、土は潤いません。
天気が悪くても、実際に雨が降らなければ、水を与えていないのと同じです。
地植えでも何日も雨が降らず水を与えていなければ、土が乾いてしまいます。
特に鉢やプランターなどは、土の量も限られている上に、
軒下やベランダなど、雨の当たらない場所で管理していることもあります。
また、ナスの葉は大きく、容器栽培の容器に雨が降りこまないことも多いです。
容器の表土の様子をチェックすると水切れを予防できます。