ナスの発芽
ナスが育ちやすい気温があるように、
種をまいて芽が出るのにも最適な温度があります
苗から育てる場合はあまり関係ありませんが、
種から育ててみるのであれば、温度管理はとても大切になります。
特にナスは、種播きから苗を定植するまでに、約80日~90日かかります。
つまり、苗を植え付けたい時期から逆算して、種を播く日を決めます。
せっかく逆算して出した日に種を播いても、
その後の管理が良くないと、発芽すらしないこともあります。
ナスが発芽するための適温や、
発芽までの日数、発芽の条件などをご紹介します。
[ナス 発芽温度]
■発芽適温
ナスの種が発芽するのに適している温度は、20度~30度されています。
この温度の間でなければ発芽しないかというと、そこまでシビアではありません。
発芽できる最低温度は11度、最高温度は35度なので、意外と範囲は広いです。
ただ、20度~30度に保ってあげることで、発芽しやすくなるので、
そのくらいを目安に管理するのが理想です。
ナスの苗を定植する時期が、だいたい5月頃なので、
それに合わせて種を播くとなると、葯3ヶ月前の2月に種を播くことになります。
日本の2月はまだまだ冬といっても良い気候で、
むしろ厳寒期といわれる一番寒い時期です。
この時期に高温を好むナスの種を播くのですが、加温が絶対条件となります。
加温せずに育てるのであれば、
4月下旬頃くらいなら、種播きにも適した気温になります。
種蒔きが遅れた分、定植できる時期も遅れてしまうので、
どうしても5月までに苗を仕上げたい場合は、加温が必要です。
ナス、発芽後の双葉の様子
■発芽までの日数
種を播いてから、芽が出てくるまでの間は、
毎日まだかまだかと発芽を待ってしまいますね。
芽が出るまでは、土を乾燥させないようにするので神経を使います。
ナスが発芽するまでにかかる日数は、それほど長くありません。
だいたい5日~14日くらいで発芽します。
ただ気温が大きく左右するため、途中で加温忘れなどで寒さに当たると、
発芽までの期間が長くなったり、土の中で傷んで発芽できないこともあります。
逆にいうと、土の中で傷んだりしていなければ、
14日を過ぎていても発芽の可能性はあるわけです。
5日~14日というのは、あくまでも目安の日数です。
植物もきまぐれなところがありますし、気温や環境にも左右されやすいので、
あまり神経質になりすぎないことが大切です。
うまく発芽するかどうか心配な場合は、
時間差で何度か種を播いておくと安心です。
最初に播いた種が失敗しても、次に播いた種がうまく育つかもしれません。
1ヶ月発芽を待ってから再度種播きをすれば、
それだけ定植の時期が遅くなります。
それを防ぐためにも、数日おきに播いておく方法がお勧めです。
ナスの種まき方法
ナスの苗の植え付けまで、もう少し!
■発芽の条件
ナスの種は、種袋に入っている間は、休眠している状態です。
そのため、まずはその休眠を破ってあげる必要があります。
たいていの植物の種がそうであるように、
ナスの種も水分を含むことによって、発芽のスイッチが入ります。
種を播く前に、たっぷりと水分を吸わせておきましょう。
湿らせたキッチンペーパーに種を挟んでおき、
湿気が逃げないようジッパー付きの袋に入れて温度を保つと、
発根を促すこともできます。
発根してきた種から順に、
ポットやセルトレーに植え付けていくと、発芽しやすくなります。
また、昼間と夜の温度差が10度くらいだと、発芽しやすいです。
加温する器具を使う場合は、昼間は30度にしておき、
夜間は20度に設定しておくと、発芽しやすい環境となります。
種が発芽するためには、
光が絶対必要と思われがちですが、実はそうではありません。
発芽するために光が必要な植物と、そうでない植物、
あるいは光の具合と関係なく発芽する植物があります。
ナスは嫌光性のため、発芽するために光は必要ありません。
そのため、種を播く時は、種の上にかぶせる土を厚めにしておくのが鉄則です。
土を少し厚めにしておくことで、乾燥を防ぐ効果もあるため、
覆土が薄くならないように注意しておきましょう。