水不足で丸まっていると思われるナスの葉
ナスを育てている時、ちょっとしたことが気になることがあります。
例えばいつもと葉の色が違ったり、全体的に元気がないように見えたり。
ナスの葉が丸まっている状態になることがありますが、
これもとても気になる状態です。
葉が丸まる症状は、いったい何が原因で起こるのでしょうか。
[ナス 葉が丸まる]
■ナスの葉が丸まる原因
ナスの葉が丸まる原因は、実は1つではありません。
いくつかの原因があり、その中の1つだけが原因ということもありますし、
いくつかの原因が重なって起こっているということもあります。
思い当たる節がないかどうかを、今一度チェックしておきましょう。
・寒さや強風に当たった
ナスは高温を好む植物です。
最低気温が15度以下のうちは、植え付けたをした後も防寒が必要です。
ナスの苗は、だいたい5月のゴールデンウィーク頃に植え付けることが多いです。
この時期には、もう日中の気温も上がり、暑いくらいの日があるほどです。
ところが、日中は暑いこともある頃なのに、
日が暮れるとぐんと冷え込むことも多い、不安定な時期です。
夜間に15度以下になるようであれば、日中どれだけ暖かくても、
保温が必要となります。
また、風がよく当たる場所も要注意です。
風が吹くことで、体感温度が下がります。
それほど気温が低くないと思っていても、強い風が吹きやすい場所では、
気温が思っている以上に低い場合があります。
・根を傷めた
ナスの苗を植え付ける時の基本は、根鉢を崩さないことです。
植物によっては、根鉢を軽く崩しても問題ないもの、
大きく崩した方が調子が良いものなどもありますが、ナスは根鉢を崩しません。
根鉢を崩すことで、根は必ず傷みます。
傷んだ根は、新しい根を発生させるまで水分を十分に吸い上げることができなくなり、
乾燥した時と同じように葉が丸まります。
ほんの少し傷ついたくらいなら問題ありませんが、
根が大きく傷むような植え付け方は避けるようにしましょう。
・水分の過不足
ナスは水を好む野菜です。
実にはたっぷりと水分が含まれているため、実を大きく育てるためには水分が必要です。
さらにナスの葉は意外と大きく、この大きな葉から水分が蒸散していきます。
これが、ナスが水を欲しがるという理由です。
水分が足りず、土が乾燥した状態が続くと、根が傷みます。
根が傷むと、必要な水分を吸い上げる力も弱くなるため、葉が丸まる症状が出ます。
ただ、水分を欲しがる野菜だからといって、いつでも湿っている環境はいけません。
根も呼吸をしているため、常に湿っている状態だと、呼吸がうまくできなくなり、
今度は過湿によって根が傷みます。
乾燥も過湿も、ナスにとってはよくない状態なのです。
葉色が濃いのは肥料過多で、さらに病気が出ています
トマトの葉が丸まっている、茎が太いのは、肥料過多でしょう
・肥料の過不足
ナスを育てていると、次から次へと花を咲かせ、実をつけます。
これだけたくさんの花を咲かせたり、実を育てたりするには、相当な体力が必要です。
肥料が切れてしまうと、どうしても調子が悪くなり、
葉が丸まるといった症状が出やすくなります。
反対に、肥料を与えすぎている状態になると、
今度は根が肥料焼けを起こして傷みます。
根が傷むことで葉が丸まる症状が出やすくなるため、
肥料の量には注意が必要です。
・害虫被害
ナスは高温期によく育つ野菜なので、高温・乾燥を好む害虫がつきやすいことがあります。
丸まっている葉の裏側を見てみると、小さな虫がついていることがあります。
アブラムシやハダニといった害虫は、葉の汁を吸って繁殖します。
汁を吸われた葉は、ひどい時には生気をなくして落葉します。
容器栽培は、株の様子を見て早めに収穫します
■ナスの葉が丸まらないための対策
ナスの葉が丸まる症状を出さないために、日ごろから注意して手入れを行いましょう。
といっても、特に難しいことはありません。
基本に沿って手入れを行うことと、
少し工夫をするだけでも、発生を抑えることができます。
・防寒する
最低気温が15度を下回るうちは、5月に入っていたとしても、
安全策として防寒対策をしておきます。
まだ苗が小さいうちなら、プラスチック製のホットキャップが気軽に使えます。
少し丈が出てホットキャップにおさまらなくなっている場合は、
ナスの周りの四隅に支柱を立て、その外側にビニールの袋をかぶせて壁を作ります。
霜が降りるほどの寒さでないのなら、袋の上部はあいていても構いません。
苗の周りにビニールがあることで、保温にもなる上に、
冷たい風が当たるのも防ぐことができます。
・根を傷めない
苗を植え付ける時は、根を傷めないように注意します。
ネット上では、根鉢を崩した定植方法が書かれていることもありますが、
栽培に慣れていないうちは、やめておいたほうが良いです。
また、水分管理にも気を配ります。
地植えにしている場合は、雨が降らない日が続いている場合は、
水やりが必要になりますが、それ以外はそれほど気にすることはありません。
鉢植えやプランターの場合は、
乾燥しないように注意するあまり、過湿にしてしまうことがあります。
特に苗がまだ小さいうちは、
水分を吸い上げる力も弱いため、あまり乾燥しないことがあります。
水を与える時は、必ず土の状態を確認し、乾いていたら与えるようにします。
こちらのナスは、肥料不足と水不足のようです
・元肥と追肥
ナスは肥料食いといわれていますが、一度に大量の肥料を与えるのはタブーです。
枝葉を伸ばしながら花と実をつけ続けるため、
常に肥効が続いているような状態の方が、生育が良いのです。
一度に大量の肥料を与えると、与えた瞬間は肥効が強くなり、その後弱くなります。
最初に肥効が強く出た時、肥料焼けを起こすこともあるので、要注意です。
元肥も同じで、たくさん与えれば良いというわけではありません。
規定より多く与えないように注意し、
根に肥料が直接当たらないように土に加えておくようにします。
・葉水と害虫防除
葉の裏につくアブラムシやハダニなどの害虫は、意外と簡単に防除できます。
特に高温・乾燥期には、定期的に葉水を与えるだけでも、予防となります。
薬剤を使いたくないという場合は、葉水を与えて予防したり、
目で見て害虫がいないかをチェックし、見つけたら捕殺するのが基本となります。
■参考
・ナス 種からの育て方
・ナス 地植えの育て方
・ナス プランターの育て方
・ナス 鉢の育て方
・ナス 受粉のコツ
・ナス わき芽かき 摘芯
・ナス 更新剪定