ナスの葉の色が、濃くなることがあります(肥料過多によるもの)
良い苗を選ぶ時のポイントにも、葉の色が濃いというものがあります。
そのため、葉の色が濃いのは元気な証拠と受け取ります。
ある程度の色の濃さであれば、元気な証拠と考えて間違いありません。
ところが、定植後に色が黒っぽくなったり、
緑色がどんどん濃くなってくるようだと、少し不調と考えた方が良いでしょう。
では、ナスの葉が黒っぽくなったり、緑が濃くなるのには、
どのような原因があるのでしょうか。
[ナス 葉の色が濃い]
■葉が黒っぽくなる
ナスの葉が黒っぽくなるのは、低温に当たったことが原因であることが多いです。
特に定植後すぐは、時期的にもまだ夜に冷えることがあり注意が必要です。
ナスは高温を好む植物で、低温に当たると株を守るために、
ナス特有の紫色の成分を多く出し、葉の色が濃くなります。
つまり、葉の色が濃くなっているのは、寒さに当たったサインということです。
気温が上がって安定してくると、葉の色も安定してきます。
ただ、寒さに当たっているということは、ナスにとっては気温が低すぎるため、
株が傷んで枯れる可能性があるということでもあります。
ナスの苗を植え付けるのは、だいてい5月の上旬頃が多くなります。
その頃には、夏日のような暑い日も出てきます。
晴れていれば、昼間は暑くなりやすいですが、問題は夜です。
雨が降った日や、北風が流れ込んでいる日は、気温が低くなりやすいです。
遅霜の季節ではないと思っても、急激に気温が下がり霜が降りることもあります。
夜になっても確実に寒くならないようになるまで、保温しておくのがお勧めです。
苗の周り四隅に支柱を立て、上下を切った培養土の袋などのビニール袋で、
囲っておくだけでも、冷風を遮ることができます。
また、地温を確保しておくためにも、
地植えは畝に黒マルチをしておくと良いでしょう。
風よけの方法
■葉の緑が濃くなる
ナスの葉の緑が濃くなるのは、肥料が多すぎるのが原因です。
標準的な葉の色にとどまっていれば良いのですが、
それよりも濃くなっているようであれば、肥料の中でも、
特に窒素が多くなっている可能性があります。
窒素過多の場合、緑色が濃くなっている他に、樹勢が強すぎ、
葉がとても大きかったり、葉数が多い、枝が伸び過ぎるといった症状が出ます。
これは窒素が枝葉を育てる成分であるため、
過剰に与えると枝葉の色が濃くなり、育ちが異様に良くなります。
枝葉が茂っていると、一見元気そうに見えます。
もちろん茂っているということは、今すぐに枯れるということはありません。
ただ、枝や葉が育つことに養分を使っている状態となり、
花付きや実付きが極端に悪くなります。
実を収穫する目的で育てているナスの場合、
花付きや実付きが悪くなって収量が落ちてしまうのは、できる限り避けたいものです。
また、窒素が多い状態で育つと、株が軟弱に育ちやすく害虫を寄せてしまいます。
ナスに与える肥料は、窒素が多すぎるものは避け、
窒素・リン酸・カリが同等のものか、リン酸が少し多めのものを与えるようにしましょう。