ナスの葉の色が薄くなることには、いろいろな原因があります
ナスの葉の色が薄いのを放っておくと、今後の生育に大きく影響することもあるため、
できるだけ早く原因をつきとめ、対応するようにしましょう。
[ナス 葉の色が薄い]
■日照不足
ナスは日当たりの良い場所が大好きです。
日当たりが悪い場所で育てていると、
だんだんと葉の色が悪くなってくることがあります。
日照不足は葉の色を薄くするだけでなく、
生育不良や病害虫にかかりやすくするなど悪影響が出やすいです。
ナスを育てる時は、できる限り日当たりの良い場所で育てるようにしましょう。
鉢やプランターなどの容器栽培であれば、移動が楽かと思います。
できるだけ日当たりの良い場所に移します。
すでに長期間日当たりの悪い場所で育てていた場合は、
突然明るい場所に出すと葉焼けを起こすことがあります。
少しずつ慣らしていき、徐々に日当たりの良い場所に移動します。
■肥料不足
ナスの葉を作るための肥料が不足していると、葉の色が薄くなります。
元肥や追肥に使っている肥料の成分を、一度確認しておきましょう。
肥料には、窒素・リン酸・カリが主に含まれています。
この3つのうち、窒素が極端に少ない、あるいは窒素がほぼ含まれていない、
肥料を与えていると、窒素不足で葉の色が薄くなります。
窒素は葉や枝を育て、株を大きくするための肥料です。
与えすぎは樹ボケを起こすので良くありませんが、不足しているのも良くありません。
また、窒素だけでなく、肥料自体が不足している場合も、葉色が薄くなります。
定期的に与えている肥料だけでは足りていない可能性があるので、
液体肥料を与えるなどして様子を見ます。
肥料不足=短花柱花のナスの花
■品種によるもの
ナスの葉の色は、葉脈が紫色で他が濃い緑のイメージがありませんか?
けれど、品種によってはもっと色が薄い場合もあります。
下葉や新芽などが薄くなってきたのであれば問題ですが、
1つの株の中では葉の色が全体的に同じであれば、特に問題はありません。
葉の色が多少薄くても、生育に問題がなければそのまま様子を見ましょう。
ヘタに手を出してしまうと、肥料過多などで逆に株が弱ることもあります。
■根詰まり
主に容器栽培で起きやすい症状です。
ナスは枝を伸ばして、たくさんの花と実をつけます。
その分、根も広く深く伸びるため、小さい容器で育てていると、
早々に根詰まりを起こしてしまいます。
根詰まりを起こすと、必要な水分や養分を吸いあげられず、
地上部の葉を落とします。
葉を落とす前に、色が黄色っぽくなってくるので要注意です。
ナスの苗の植え付けは、鉢であれば10号サイズに1株、
プランターは菜園用の深型プランター60cm~70cmに2株が目安です。
標準プランターや小さい鉢では、容量が足りずにすぐ根詰まりするので、
大きめの容器を使うようにしましょう。
■病気
ナスが半枯れ病や萎凋病などの病気にかかると、
下の方の葉から色が薄く黄色くなっていきます。
土壌からの感染が多いので、ナスを育てる環境を整えてあげましょう。
水はけと水もちの良い土を目指し、
適切に水やりや追肥を行うことで、感染を予防できます。
また、以前にも病気が出た場所は、土壌消毒をしたり、
連作を避けるなどの工夫をする必要があります。
アブラムシはウィルス病を媒介するので気をつけます
■害虫
ナスにハダニ類やアブラムシなどがついた場合に、
葉の色がだんだんと薄くなっていって、やがて落葉します。
葉色が薄くなった原因が害虫であれば、
色が薄くなってきた葉の裏を見れば一目瞭然です。
ハダニもアブラムシも、害虫自体はとても小さいですが、
色が薄くなるほど進行していれば、葉裏を見ればすぐに分かります。
薬剤を使っての防除もできますが、乾燥していると発生しやすいので、
時々葉の裏にも水をかけてあげると予防になります。
数が少ないうちが防除しやすいので、症状が出ている葉がないか、
時々チェックしておくのも忘れないようにしましょう。
夏野菜 ナス専用肥料 400g 250円くらい
■生理障害
肥料が含む成分の中で、窒素・リン酸・カリ以外の微量成分が足りない場合も、
ナスの葉の色が薄くなる傾向や症状が出ます。
特にナスの場合は、鉄やカリウム、マグネシウムが欠乏することがあります。
これらの成分が不足した場合は、葉の全体が薄くなるのではなく、
葉脈だけが濃く残り、他が薄くなります。
ナス専用の肥料は、必要になる微量成分もバランスよく含まれています。