薩摩白長茄子
薩摩白長茄子は、薩摩とあるように鹿児島県の在来種です。
白茄子や白丸茄子、白長茄子といろいろな呼び名がありますが、
鹿児島県薩摩町付近にて古くから栽培されてきたため、薩摩白長茄子と呼ばれます。
九州地方ですらなかなか食べられるものではなく、そのほとんどが、
鹿児島県薩摩町付近の”地元”にて流通しています。
付近に行くことがあれば、是非、JAの施設などに立ち寄って探してみると良いでしょう。
この記事では、何故、白茄子と呼ばれるナスが紫色ではなく黄緑色をしているのか、
また、薩摩白長茄子についても、詳しく紹介していきたいと思います。
[薩摩白長茄子]
■薩摩白長茄子の特徴
・果実
一般的に長さ約20センチくらいの大きさになります。
果実とヘタは黄緑色をしていて、一般的なナスとは違います。
・白茄子が黄緑色をしている理由
茄子というと、古くから「茄子紺」と呼ばれる色があるように、
黒に近い濃い紫色で、紺色のように見えるものが一般的です。
しかし、この薩摩白長茄子のように一般的に”白茄子”と呼ばれているナスは、
黄緑色をしていて、普通のナスの色とは大きく異なります。
その理由は、ナスに含まれているアントシアニンと呼ばれる色素にあります。
白長ナスには、このアントシアニンが含まれていないのでこのような色合いになるのです。
アントシアニンは、ナスのほかにも、赤タマネギやイチゴ、ブルーベリー、
小豆、紫イモなどにも含まれている色素です。
活性酸素を消すはたらきをもっているので、
最近は、健康効果にも期待されている成分のひとつです。
アンチエイジング効果や目の疲れに良いなどとされているのが代表例です。
・食味
果肉は非常に柔らかいですが、皮はやや硬く、アクが少ないのが特徴で、
お漬物、焼きナス、茄子田楽、揚げ物など、ナス料理ならなんでも良く合います。
煮物や汁物にしたときの色移りがないので、他の具材の邪魔をしません。
また、色どりも豊かです。
■薩摩白長茄子の栽培のコツ
・入手方法
野口のタネオンラインショップなどで取り扱いがありますが、
現在は欠品中とのことで、入手困難です。
在来種の種は薩摩白長茄子に限らず、入手するのが難しいです。
・種まきの適期
直播きして育てる場合は、5月頃が種まきの適期です。
鹿児島県の在来種のため、やや発芽適温は20~30度と高めです。
・栽培方法
露地への定植と種まきは、地温が18度以上と充分に暖かくなってから行います。
晩生種で大株になるので、千両2号などの早生種よりも株間を広くします。
夏の高温期は乾燥対策、暑さ対策として敷きわらを行い、
充分な潅水を行って、水切れが起こらないようにしましょう。
・採種方法
在来種の多くは自家採種して栽培が続けられてきました。
果肉から種子を外したらいったん水洗いを行い、1日天日干しします。
その後、1週間は日陰に干しておきます。
気温の高いところ、湿度の高いところを苦手とするので、
湿気の少ない涼しい場所で保管しましょう。
■参考
・ナス 種からの育て方
・ナス 地植えの育て方
・ナス プランターの育て方
・ナス 鉢の育て方
・ナス 受粉のコツ
・ナス わき芽かき 摘芯
・ナス 更新剪定