■ナス 栽培スケジュール
■ナス 栽培データ
英名・学名 eggplant・solanum melongena
形態 多年草(日本では一年草扱い)
原産地 インド東部
草丈/樹高 80cm~100cm
収穫期 6月下旬~9月
栽培難易度(1~5) 3
耐寒性 弱い
耐暑性 強い
特性・用途 長期収穫が可能
水ナスは一般的な中長ナスに比べて、
皮が薄く水分量が多いため、漬物などの生食に美味です。
実の大きさはやや小ぶりですが、ぽってりとした形がかわいらしいです。
手で握ると水分がしたたるほど、水分を蓄えた美味な実を栽培しましょう。
[水ナスの育て方]
■水ナスの育て方
・種まきからの場合
水ナスの種は、ホームセンターなどで市販されています。
ネットでも販売されているので、簡単に手に入れることができます。
ただ、よほど大量の株を植え付けるのでない限り、
水ナスは種からよりも苗から育てる方が安心です。
種から育てるとなると、時間も手間もかかる上に、
定植に至らず失敗することも少なくありません。
どうしても種から育ててみたい場合は、
一般的な中長ナスと同じ要領で問題ありません。
>>ナス 種からの育て方
水ナスの接ぎ木苗
・苗を選ぶ場合
水ナスの苗を選ぶ時も、一般的なナスの苗を選ぶ時と基準は同じです。
全体的にがっしりとしていて、揺らしてもぐらぐらしないものを選びます。
蕾がすでについているものか、できれば開花しているものがお勧めです。
害虫がついていたり、病気などによる変色がないかをよく見て選びましょう。
>>ナス 苗の選び方
・植え場所(栽培環境)
できる限り日当たりと風通しの良い場所を選びましょう。
地植えでも、鉢やプランターで育てる場合でも同じです。
ナスは連作を嫌う野菜なので、
数年間はナス科の植物を育てていない場所で育てます。
連作する場合は、土壌消毒をしたり、接ぎ木苗を選ぶなどして対応します。
鉢やプランターで育てる場合も、古土を利用せず、
新しい清潔な培養土を使って育てた方が安心です。
>>ナスの連作は?
・植え付け場所の準備
ナスの基本的な植え方
地植えの場合は、30cm~40cmほどの深さを掘り返し、よく耕しておきます。
苦土石灰、堆肥、元肥などを加えてよく混ぜ、畝をたてます。
土の水はけが少し悪いようであれば、
畝を高くすることで排水を良くすることができます。
プランターの植え付け
鉢やプランターで育てる場合は、深さ30cm以上の大型の容器を使います。
鉢底には鉢底石を敷いて、その上に市販の野菜用の培養土を入れます。
元肥は培養土に含まれていることが多いので、足す必要はありません。
・植え付け
水ナスはあまり寒さが得意ではありません。
十分に気温が上がってから植え付けを行います。
だいたい5月のゴールデンウィーク頃がお勧めです。
>>ナス 植え付け時期は?
植え付けの前にポット苗に水を与えておきましょう。
こうすることで、根鉢が崩れにくくなり、根を傷めずに済みます。
植え穴の中にも水を入れて染み込ませ、その後に苗を植え付けます。
複数の株を育てる場合、一般的な品種だと株間を45cmほどとりますが、
水ナスはやや大型に育つため、株間を60cmほどと広めにとります。
植え付けた後は、水をたっぷりと与えておきましょう。
・支柱
植え付けた直後に仮支柱をします。
仮支柱ではなく、長い支柱を植え付け後すぐに立てても問題ありません。
水ナスは中長ナスよりも実は小ぶりですが、株自体は大きくなります。
葉も大きいですし、枝もよく伸びるので、
支柱もしっかりとしたものを選び、倒れないように設置します。
支柱と苗は紐などで八の字に縛って誘引しておきますが、
この時にあまり強く縛ると、茎が傷んだり太れなくなるので、
少しゆとりをもって紐で縛るようにします。
ワラなどを敷くと乾燥防止、泥はね防止で病気になりにくいです
・水やり
水やりのタイミングなども、一般的なナスと同じです。
実に含まれる水分が他のナスよりも多いので、
水を吸いあげる力がとても強く、乾燥しやすい場合があります。
土の状態を毎日チェックして、乾いていたらたっぷり与えるようにしましょう。
特に実がたくさんついている時や、高温になる夏の間などは、
朝だけでなく夕方にも土の状態を見ておきます。
もし乾いているようであれば、夕方にも水を与えましょう。
水が不足していると、カチカチな固い実ができたり、
株を維持できずに枯れることもあるので、水切れには十分注意しておきます。
乾燥を防ぐため、株元にワラを敷いたり、
畝をたてた後にビニールマルチをしておきます。
鉢やプランターの場合は、ワラの他にバークチップなどを使うと、
見た目もおしゃれになり、乾燥も予防できます。
>>ナス 水やりのコツ
朝、葉が上を向いているのは、樹勢が良い証拠です
・追肥
植え付けから2週間後くらいから追肥を始めます。
水ナスも肥料切れを起こすと実付きが悪くなるので、
肥料が切れないように2週間に1回のペースで追肥を繰り返します。
定期的に追肥していても、花色が薄かったり、短花柱頭の症状が出た場合は、
薄めに作った液体肥料を与えて様子を見るようにします。
即効性の液体肥料を与えることで、生育不良を改善することができます。
>>ナス 肥料の与え方と時期
・摘芯、整枝、仕立て
一般的なナスと同じです。
2本仕立てか3本仕立てで育てます。
葉も大きく、株も大型になるので、最初は2本仕立てから試してみましょう。
>>ナス わき芽かき 摘芯
ナスの2本仕立てと摘芯
・誘引
枝が伸びてきたら、支柱に誘引します。
小ぶりとはいえ、1本の枝に同時にいくつも実がなることがあります。
実の重みで枝が下がり、実や葉が地面につくと病気の原因になりやすいです。
必ず枝が伸びたら支柱に誘引し、枝が下がらないようにしておきます。
小さめで収穫したほうが総収量が増えます
・収穫
水ナスの品種により、多少違いはありますが、
だいたい開花から20日~25日くらいで収穫ができるようになります。
最初にできた一番果と、その後にできた2つくらいは、
やや小さいうちに収穫すると、その後の実付きがよくなります。
実はあまり大きくなるまで待たず、
ある程度の大きさに育ったらどんどん収穫していきます。
あまり樹に実をつけたままでいると、株が疲れてしまいます。
株が疲れてしまうと、栽培後半の花付きや実付きも悪くなる上、
最悪の場合は、早々に枯れてしまうこともあります。
>>ナス 収穫時期は?
更新剪定、根切り、追肥をすると秋茄子が楽しめます
・更新剪定=切り戻し剪定
真夏は、暑さと収穫続きでどうしても株が弱ってしまいます。
秋にもナスを楽しむために、夏に株が元気をなくしてきたら、
切り戻し剪定=更新剪定をします。
更新剪定をすると、新しい枝が育ち秋にまた実が収穫できます。
*詳しくは、こちらをご覧ください。
>>ナス 更新剪定
・病害虫
ナスは色々な害虫や病気にかかることがあります。
ある程度であれば、薬剤によって防除することが可能です。
薬剤を使いたくない場合は、環境や手入れをきちんと行うようにし、
何か異変がないかをよく観察するようにします。
何か異変を見つけたら、すぐに対処するようにしましょう。
>>ナス 病害虫
■水ナスの育て方のコツ
1.実は小さくても樹は大型に育つので株間は広めにとる
2.水切れを起こさないよう、毎日用土のチェックをする
3.株が弱らないよう、実は若いうちに収穫する