一番花、着果させると安心ですが
ナスの一番花と二番花の着果は、とても重要だといわれています。
最初につく花に実をつかせると、ナス自身の実をつける流れが強くなります。
一番花に実をつけ、後の着果率を上げることを「なりグセをつける」といいます。
ただし、これは一番花に着果させることで、実がなりやすくなるというだけなので、
一番花が落ちてしまったからといって、栽培に失敗した訳ではありません。
一番花が落ちてしまっても、その後の管理に注意していれば、
問題なく実を収穫し続けることができます。
[ナス 一番花 落ちたら]
■ナスの一番花が落ちる理由
大事な一番花が落ちてしまうのには、いくつか理由があります。
まずは育てている環境が悪いこと。
日当たりや風通し、水やり、肥料などですが、中でも一番影響するのが日当たりです。
ナスは日当たりの悪い場所で育てていると、うまく生長できません。
一番花だけでなく、今後でてくる花も落ちてしまう可能性があります。
できるだけ日当たりの良い場所に置き、適切に水やりをするようにします。
また、寒さに当たることで花が落ちることもあります。
ナスの苗を植え付ける頃は、地域やその年の天候や気候によって、
夜にたいへん冷え込むことがあります。
寒さに当たってしまうと、花芽が傷んだり、ナスが生理的に花を落とすため、
しっかりと気温が上がるまでは、防寒対策をしておいた方が良いでしょう。
他にも、作業している間に服が一番花に当たり、落ちることもあります。
植物の茎葉や花などは、丈夫そうに見えてとても繊細です。
ふとしたことで傷めることがあるため、注意しておきます。
服と同じように、強風に吹かれて花が飛んでしまうこともあります。
防風と防寒をかねて、苗の周りをビニールなどで囲っておくと安心です。
一番果を確認すると、安心です
■一番花が落ちてしまったら
一番花に着果させることは、確かにナス栽培において重要なことです。
だからといって、一番花が落ちてしまったり着果しなかったら、
実が絶対に収穫できないということではありません。
あくまでも一番花に着果させるのは、
なりグセをつけてその後も順調に着果する確率を上げるためです。
逆に、一番花に着果させることに成功したとしても、
その後の管理や天候が悪ければ、生育不良に陥ることは多々あります。
一番花が落ちても、がっかりする必要はありません。
今後、上手に管理していけば、一番花の後に二番花、三番花と続くはずです。
二番花や三番花が咲く頃になれば、気温も安定してくる頃なので、
花が落ちることも減ってきます。
もし花芽自体があまりできないということであれば、肥料の問題かもしれません。
窒素が多い肥料を使っていると、枝葉ばかりが伸びて花芽がつきにくくなります。
花芽はついているけれど、二番花以降も花が落ちる場合は、
管理か栽培環境に問題があります。
一番花が落ちても、ナスが好む環境で育て、
適切に手入れを行えば、二番花以降でも実は十分つけられます。