山科ナス
山科(やましな)は、京都市の東部にある区の名前です。
ここの特産物として知られているのが、
京の伝統野菜にも指定されている「山科ナス」です。
山科ナスは、千両二号と泉州水ナスの中間とされているナスで、
とても使いやすい卵型のナスです。
本来は、京都市山科区で盛んに栽培されているナスですが、
カネコ種苗店から、苗を購入することができます。
山科ナスは、産地である京都でもなかなか口に出来ない
希少な野菜として知られているので、
是非、家庭菜園で育て、ご自宅で味わってみてください。
■山科ナスの特徴
・京の伝統野菜に指定
山科ナスは、京の伝統野菜及び、
ブランド京野菜に指定されているナスの品種です。
京の伝統野菜に指定されているのは、
聖護院だいこんや、九条ねぎ、みず菜などがあります。
その内、ナスは、この山科ナスと賀茂ナス、もぎナスの3種のみです。
京都にお住まいの方でもなかなか食べられないものが多いので、
是非、ご自宅で京の伝統野菜を育ててみてはいかがでしょうか?
・うまみの多いナス
山科ナスは、カリウムやリンを豊富に含んでいるナスで、
加熱するとより一層うまみが引き立ちます。
特に京都では、ニシンとナスの炊き合わせという
煮物料理に使われています。
山科ナスの発色が良く、とても仕上がりが綺麗な料理です。
・家庭菜園ならではの味
山科ナスは、とても果実の皮が薄く、果肉が柔らかいため、
長期の保存や、輸送に向かないデメリットがあります。
そのため、冒頭でも少し紹介しましたが、
京都においてもなかなか山科ナスを味わえることは滅多になく、
家庭菜園ならではのナスが楽しめます。
■山科ナスの栽培のコツ
・土作り
植え付けの10~14日前に、堆肥、苦土石灰、
カルシウム分を含んだ肥料を入れ、良く耕しておきます。
ナスは多肥を好むので、肥料分をたっぷり入れ、
保水力のある土作りを心がけます。
・植え付け
植え付けの適期は、4月の中旬以降です。
株間を60センチ以上とり、
充分にスペースを作って植え付けていきます。
また、植え付けの際に、地温保持、
雑草防止のマルチングや敷きワラをすると、
梅雨、梅雨明け後も難なく育てられます。
・管理方法
一番花が咲く直前に支柱を立て、3本仕立てにします。
夏は生育が良くなるので、それに合わせて、
枝の整理を行い、日当たり、風通しを良くしてください。
・病害虫の防除
病害虫が発生した場合は、
すぐに適切な農薬を用い、防除に努めてください。
害虫の予防としては、
植え付け時に粒状の薬剤を一緒にまいておくと効果的です。
特に梅雨、梅雨明け後は病害虫の発生が多くなるので、
こまめに株の観察を行い、早めの防除に努めましょう。
・収穫と注意点
非常に皮、果実ともに柔らかい品種なので、
丁寧に扱うようにしてください。
ちょっとしたことで果実にキズが入ってしまい、
痛みが早くなるので、気をつけましょう。
収穫適期は、長さ10~12センチほどがとり頃です。
漬物にしてもおいしいですが、
山科ナスは、是非、加熱調理でうまみを引き出して、
味わってみてください。
■参考
・ナス 種からの育て方
・ナス 地植えの育て方
・ナス プランターの育て方
・ナス 鉢の育て方
・ナス 受粉のコツ
・ナス わき芽かき 摘芯
・ナス 更新剪定