杉谷なすびは、別名「杉谷丸ナス」と呼ばれる滋賀県の伝統野菜です。
主に、滋賀県の甲賀市甲南町の杉谷地区で江戸時代から栽培されている、
杉谷なすびは、歴史ある品種で、この地域でしか作れないといわれているほど、
デリケートな地域ブランドナスです。
■杉谷なすびの特徴
・丸ナス
杉谷なすびは、賀茂ナス同様、「丸ナス」に分類される品種ですが、
やや楕円形をしています。
また、巾着ナスといって、縦にシワのようなものが入るのが特徴です。
巾着ナスは、他県でも栽培され、新潟県の長岡巾着ナスなどが特に有名です。
杉谷なすびの大きさは直径約10センチほどで、
重さは300~400グラムと非常にずっしりとしています。
ヘタ(ガク)の部分に強いトゲが見られるのも、杉谷なすびの特徴の一つです。
・皮が薄く柔らかい
丸ナスの多くは、やや皮が硬いものが多いですが、
杉谷なすびは皮が薄く柔らかいので、
皮を剥かずに丸ごと食べることをおすすめしています。
肉質は甘みがあり、しっかりとしているので、一般的な丸ナス同様、
加熱調理に適していますが、皮が薄く柔らかい分、
生食にも適していて、料理の幅が広がります。
煮崩れしにくいので、長時間煮込むお料理にも使えます。
・杉谷なすびの旬
収穫、食べ頃は、8月初旬~9月下旬頃までです。
生産者の方々は、「杉谷なす」ではなく「杉谷なすび」と、
必ず”び”をつけて、呼んでいるそうです。
・栽培は難しい
理由は定かにはなっていませんが、杉谷なすびは、
滋賀県の甲賀市甲南町の杉谷地区でしか栽培されていません。
そのため、種や苗を入手することも難しく、
直接出向いて購入するほかなさそうです。
また、杉谷地区はとうがらしやウリといった他の伝統野菜も栽培しており、
JAなどによってブランド化が進められ、
滋賀県内のスーパーなどで見かけることも増えてきているようです。
いずれ、関東地方などの滋賀県以外の場所でも、
この杉谷なすびが育てられるようになったら良いですね。
■参考
・ナス 種からの育て方
・ナス 地植えの育て方
・ナス プランターの育て方
・ナス 鉢の育て方
・ナス 受粉のコツ
・ナス わき芽かき 摘芯
・ナス 更新剪定