紫の極
紫の極(むらさききわみ) は、種苗店として長い歴史のある、
「カネコ種苗」の紫の極は、賀茂ナスの品種です。
ブランド京野菜、京の伝統野菜として指定されている賀茂ナスは、
やや栽培難易度が高いものの、その味は格別で、
家庭菜園で育てるナスの品種としても非常に人気があります。
■紫の極の特徴
・賀茂ナスとは?
別名「大芹川ナス」とも呼ばれているナスで、
昔は芹川周辺で盛んに栽培されていました。
現在は、上賀茂周辺の京都市や、亀岡市、
お隣の滋賀県などでも栽培が行われていて、そのブランド力が伺えます。
・形や大きさは?
大型の丸ナスで、直径は約12~15センチほどです。
大きいものは1キロを超えるずっしりとしたナスに生長しますが、
家庭菜園においては、早どりが基本なので、
200~350グラムで収穫するのがベストです。
・味は?
千両ナスと比べて、肉質に弾力があり、煮物、
味噌田楽などに適しています。
とても甘みがあり、揚げ物などにも向いている品種で、
さまざまなナス料理が楽しめます。
ただし、他のナスと比べ灰汁が強いので、
切ったらすぐに水に浸して使うようにしてください。
・栽培難易度は?
家庭菜園向けの品種として販売されている紫の極ですが、
賀茂ナス自体の難易度は、千両ナスなどの品種と比べ、やや高いです。
皮がとても柔らかく、葉脈、幹、がくに鋭いトゲがあるので、
果実が傷つきやすく、日当たりや土壌によって色ボケしやすいデメリットがあります。
しかし、家庭菜園で京野菜を育てられるので、
とても人気がありますし、おすすめでもあります。
■紫の極の栽培のコツ
・植え付けの適期
霜がおりる恐れがなくなった頃が理想です。
だいたい、外の気温が平均18度を超える4月中旬頃が目安となります。
植え付けた苗は大きくなるので、
1株あたり60センチ以上の間隔をとり、植え付けていきます。
鉢植えでも育てることができますが、
鉢植えの場合は、8号~10号程度の鉢に1本植えが基本です。
・管理方法
管理方法は、他のナスの品種と変わりませんが、
鋭いトゲをもっているので、作業は充分気をつけて行う必要があります。
まず、管理作業の際にトゲでケガをしないよう、
軍手をするなどして充分に気をつけてください。
また、トゲで果実や株を傷つけてしまうこともあるので、
なるべくトゲがぶつからないように作業をします。
紫の極も主枝1本、側枝2本の3本仕立てが基本です。
夏の生育期は株がぐんと大きくなるので、
きちんと葉に日光が当たり、内部の風通しが良くなるように枝を整理してください。
・梅雨の管理
ナスは水分を好むため、梅雨入りよりも、梅雨明けの管理が難しいです。
株元から畝間にかけて敷きワラを敷くなどして、
梅雨明け後、水やりをたっぷり行い、乾燥しないように心がけてください。
・収穫
賀茂ナスは約12~15センチ頃が収穫期ですが、
紫の極はそれよりもやや小さい9センチ頃に収穫するのがおすすめです。
家庭菜園では、小さめに早どりすることで、上手に長く育てることができます。
■参考
・ナス 種からの育て方
・ナス 地植えの育て方
・ナス プランターの育て方
・ナス 鉢の育て方
・ナス 受粉のコツ
・ナス わき芽かき 摘芯
・ナス 更新剪定