ナスの葉 虫食い
虫食いがこのくらいの大きさでも、どんどん広がります
ナスの苗を植え付け、少しずつ大きくなってくると、
花が咲いたり実がついたりした様子を思い浮かべ、
とても楽しみになります。
けれど、栽培中はいろいろな厄介ごとが起きるものです。
ナスの大きくて立派な葉に、虫食いができることもあります。
ナスの葉に虫食いができる時、どのような害虫が原因なのでしょうか。
[ナスの葉 虫食い]
■ナスの葉 虫食い
ナスにつきやすい害虫はいくつかありますが、
その中でも虫食いの穴をあけるようなものは、
葉をかじるタイプの害虫です。
アブラムシやハダニなどは、吸汁タイプの害虫なので、
ひどくなると葉が黄変することはありますが、
虫食い穴をあけることはほとんどありません。
ナスの葉に虫食い穴をあける害虫を、まとめました。
テントウムシダマシの被害、右側中央に姿が見えます
テントウムシダマシ
・テントウムシダマシ(ニジュウヤホシテントウ)
ナスの栽培中、毎年この害虫に悩まされるという方も多いです。
一般的なテントウムシは、アブラムシを食べる益虫です。
けれど、テントウムシダマシは、
葉の表面をけずるように食害し、薄皮一枚だけ残します。
薄皮が残っていたとしても、その部分では光合成をすることができません。
遠目から見ると穴があいたように見え、食害箇所が増えてくると、
全体的にボロボロの印象になります。
テントウムシダマシは、成虫も幼虫もナスの葉を食害するため、
数が少ないうちに、駆除しておきます。
薬剤を利用しない場合は、見つけしだい捕殺します。
成虫はどこからともなく飛来するので、
アブラムシのように一網打尽というわけにはいきませんが、
捕殺を続けていくことで、数を増やす心配がなくなります。
薬剤を利用する場合は、ベニカベジフルスプレーやスミチオンなどが使えます。
ヨトウムシ
・ヨトウムシ
ヨトウムシは、あらゆる植物を食害する害虫です。
成虫はガの仲間なので、ナスの葉を食害することはありません。
幼虫がおもに葉を食害します。
卵は葉の裏に固まって産み付けられるため、最初は団体で食害を開始します。
その後、生長すると徐々に単独行動を開始し、
それにともなって食害する範囲や量も増えていきます。
幼虫が大きくなってくると、夜間に食害を繰り返すため、
夜盗虫(ヨトウムシ)と呼ばれるようになりました。
幼虫を見つけた時は、即座に捕殺しましょう。
薬剤を使用する場合は、STゼンターリ顆粒水和剤やデルフィン顆粒水和剤が使えます。
オオタバコガの幼虫1
オオタバコガの幼虫2
オオタバコガの被害にあった、穴だらけのミニトマト
オオタバコガの成虫
・オオタバコガ
オオタバコガも、ヨトウムシと同じくガの仲間で、幼虫がナスの葉を食害します。
しかも、食害するのは葉だけではありません。
実の内部にもぐりこんで穴をあけ、中も食害するのです。
あちらこちらへと移動しながら食害するので、被害が大きくなることもあります。
食害痕を見つけたら、犯人を見つけ出し、捕殺しましょう。
使える薬剤には、アファームやカスケードなどがあります。
メンガタスズメの成虫
メンガタスズメの幼虫、10㎝にもなります
・メンガタスズメ
メンガタスズメという名は、あまり効き慣れないという方も多いでしょう。
これもガの仲間で、幼虫が葉を食害します。
ヨトウムシやオオタバコガの幼虫よりも、鮮やかな色をしているのですが、
葉の裏側に隠れていることが多く、意外と発見が遅れます。
とても大食漢なので、食害が進むと葉が丸坊主になることもあります。
見つけ次第、捕殺をしましょう。
残念ながら使える薬剤がないため、栽培期間中は葉の裏や生長点をよくチェックし、
幼虫がいないか、食害痕がないかを見回るようにしましょう。
■参考
・ナス 種からの育て方
・ナス 地植えの育て方
・ナス プランターの育て方
・ナス わき芽かき 摘芯