ナス 植え付け時期は?
ナスの植え付け時期もナス栽培の大切なポイントです
ナスの植え付け作業を行うのは、いつが良いのでしょうか?
気温と地温を維持することができれば、
やや早く植え付けを行っても、問題はほとんどありません。
早すぎたり、遅すぎたりすることで、問題があるのでしょうか?
[ナス 植え付け時期は?]
■地域による植え付け適期
ナスは暑い気候を好む野菜です。
そのため、基本的には遅霜の心配がなくなってから、植え付けるようにします。
また、同じ日本国内であっても、地域によって少しずつ気候が違います。
寒冷地では遅霜の心配があり、気温が上がるのもゆっくりです。
暖地では、霜が降りることが少ない場所も多く、気温が上がるのも早いです。
ナスを栽培する地域の、その年の気候に合わせて、
植え付け時期を決めるようにしましょう。
暖地:4月中旬~5月上旬
中間地(温暖地):4月中旬~5月上旬
寒冷地:5月中旬~6月上旬
ワラでの防寒対策も効果的です
■早植えする場合は?
植え付けの適期よりも早く植え付けることを、早植えと言います。
早植えした場合、まず心配なのが寒さに当たることです。
ナスは寒さに弱く、最低気温が10度より下回ると、生長を止めてしまいます。
さらに霜に当たれば、葉や生長点が傷み、最悪の場合は枯れることもあります。
苗を生産している農家や、苗を販売している店によっては、
植え付け適期前に苗の販売が始まります。
どうしてもその店で苗を購入したい場合は、
購入した苗を温室などで加温し適期を待つか、寒さ対策をして植え付けます。
寒さ対策をしてから植え付ける場合、
トンネル栽培やホットキャップなどをかぶせたり、
畝にビニールマルチを張る必要があるため、あらかじめ準備しておきます。
気温と地温を維持することができれば、
多少早く植え付けを行っても、問題はほとんどありません。
遅植えすると、苗の生長期が猛暑に当たる可能性があります
■遅植えする場合は?
適期よりも遅く植え付けることを、遅植えと言います。
遅植えの場合、気温は十分に上がっていることが多いので、
霜や最低気温の心配はありません。
ところが、遅く植え付けるということは、
それだけ生育するスタートが遅れたということになります。
スタートが遅れると、実のつき始めも遅くなり、収穫も遅くなります。
また、遅く植え付ける場合は、それだけ気温が上がっていて、
土が早く乾きやすいということでもあります。
植え付けてから根付くまでの間は、どうしても水切れしやすくなります。
こまめに土の状態を確認し、水切れを起こさないようにすれば、
植え付けが、少し遅くなっても、じゅうぶん収穫は見込めます。
■秋ナスとして育てる場合
遅植えをした場合、スタートが遅いために、最初の収穫が遅れます。
早く収穫したい人にとっては良くないことですが、
秋ナス栽培をしたい人にとっては、ちょうど良い場合があります。
適期に植えたナスは、だいたい6月下旬頃から収穫が始まります。
6月下旬頃に遅植えしたナスは、7月中旬~7月下旬頃から収穫が始まります。
適期に植えたナスも、真夏7月末~8月初めに根と枝を切り(更新剪定)、
肥料を与え、暑さでバテた株をリフレッシュすると、秋ナスを楽しむことができます。
遅植えにしたナスの場合は、順調に育てば、
適期に植えたナスがリフレッシュする真夏の間も、収穫が続きます。
秋ナスはほとんど休むことなく、秋も実をつけ続け、
10月いっぱいくらいまでは、収穫することができます。
実際に、植え付け適期より遅い時期に、秋ナスの苗が販売されています。
見るからに売れ残りの苗であれば、秋ナス用に選ぶに値しませんが、
立派な苗であれば、秋ナス用として遅植えしても問題はないでしょう。
適期に植えたナスも更新剪定で、秋ナスを収穫できます
■いつまでも植えられる?
秋ナスという方法があったとしても、
植え付け時期を限りなく遅らせていいというわけではありません。
梅雨が明ける頃までは、天気の悪い日も多く、気温の上昇もゆるやかです。
梅雨明けをした途端に猛暑日が続くこともあるため、熱帯原産のナスであっても、
まだ小さい苗の状態では耐えられないことがあります。
ナスが育ちやすい気温は、だいたい30度までです。
30度を超える日が毎日続くと、ナスの株も消耗し、
実をつけるほど大きく育つことができません。
遅くなればなるほど、収穫する量が減ってしまうので、
できる限り植え付け適期内に、植え付けることが望ましいです。
最初から秋ナスを目的としている、あるいは苗の準備が遅れた場合には、
梅雨明けまでをリミットにすると、比較的失敗は少なくなります。
■参考
・ナス 種からの育て方
・ナス 水やりのコツ
・ナス 発芽しない