ナス苗 植え付けの注意点
ナスの苗の植えつけ方で、その後のナスの生育と収量が激増します
苗の植え付けが良くないと、その後の生育に大きく影響し、
根付き、生育が悪くなったり、病気にかかりやすくなることも多いです。
丈夫な苗を選んだら、次はしっかりと植え付けることが重要です。
植え付けのポイントをじっくり確認して実践し、素晴らしい収穫を味わいましょう。
[ナス苗 植え付けの注意点]
■苗の準備
まずは苗の準備からです。
苗はできる限り健全なものを選び、育てる株数用意しておきます。
もし種から育苗する場合は、植え付け時期から逆算して種まきし育てます。
購入した苗は、いきなり植え付けるのではなく、
二日間ほど植え付け予定地と同じ環境の場所に置いておくのがお勧めです。
こうしておくと、販売店の苗が菜園の植え付け環境に慣れてきます。
環境の変化はどのような植物にとってもストレスになります。
たった二日間の手間ですが、その後、元気に育ちやすいのです。
>>ナス 苗の選び方
■植え付け場所の準備
地植えの場合は、必ず植え付ける2週間前までに土作りを終えるようにします。
堆肥や元肥などを加えた直後に、いきなり苗を植え付けると、苗が傷むことがあります。
土を作ったら、必要に応じて畝をたてたり、ビニールマルチをかぶせます。
鉢やプランターなどで育てる場合は、
排水を確保するために鉢底石を必ず敷き、その上から培養土を入れます。
培養土は市販されているもので十分ですが、
古土を再生したものは病気の菌が残っている可能性があるため、
接ぎ木苗を植えるか、使わない方が無難です。
■植え付ける深さ
苗を植え付ける時の深さは、根鉢と畝や鉢土がほぼ同じ高さが目安です。
深植えにすると、葉が土に近くなり、泥の跳ね返りなどによって、
病気に感染する可能性が出てきます。
反対に浅植えにすると、根が露出して傷んでしまいます。
接ぎ木苗を使う場合、特に深植えにならないように注意が必要です。
接ぎ木苗は、病気に強い台木に果菜類のおいしい実のなる接ぎ穂を接いだものです。
台木と接ぎ穂を接いでいる部分が土に埋まると、
病気に強くない接ぎ穂が根を出すことがあります。
接ぎ穂はおいしい実はなるものの、病気には強くないので、
接ぎ穂の根が出て育つと、病気にかかりやすくなってしまいます。
接ぎ木苗の場合は、必ず接いだ部分が埋まらないように植え付けます。
新しい用土に植穴をあけて、水を与えておきます
やや浅植えにして、仮支柱を立てておきます
植え付けのポイントは水やり
■水やりがポイント
ナスを育てる時は、水やりがとても重要です。
これは植え付ける時も同じです。
まず、植え付け前日か当日に、植え付ける予定のポット苗に水を与えておきます。
ナスの根は一度傷んでしまうと、回復に時間がかかることがあり、
植え付けた後の根付きが悪くなったり、生育が鈍くなりやすくなります。
ポット苗の状態で水を与えることで、
根鉢が崩れにくくなり、植え付け時に根を傷める心配が減ります。
次に植え穴に水を染み込ませます。
苗の根鉢がすっぽり入るくらいの植え穴をあけたら、
そこに水を入れて染み込ませておきます。
植え付けた後にももちろん水は与えますが、
植え穴に水を染み込ませると、確実に根鉢の周りに水が浸透します。
周りの土が湿っていることで、根鉢の根が伸びやすくなり、
周りの土と馴染みやすくなります。
植え付けが終わったら、最後に全体にたっぷりと水を与えておきます。
ナスの苗を植え付けた畝が全体的に湿るように、しっかりと水を与えます。
容器栽培の場合は、鉢やプランターの底から水が出てくるまで水を与えます。
もし植え付けた後に水を与えた時、水がなかなか引かずに残ってしまったら、
その容器の土は水はけが悪いということになります。
◎水はけが悪いときは?
ナスは水切れや乾燥を嫌いますが、
常に湿気た状態だと根腐れなどを起こしやすくなります。
水はけと水もちの良い土が最適です。
もし水を与えた時に水はけが悪いと感じたら、
それからでもまだ遅くはないので、土の改良を行いましょう。
培養土を使っても、ピートモスの配合が多いものなどは水はけが悪い場合があります。
植え付けから時間が経てば経つほど、土の改良や植え替えは難しくなります。
気づいた時にすぐ土を改良しておきましょう。
一度植え付けた苗を、根を傷めないように掘り上げて、
別の鉢やポットに入れておき、土の改良を行います。
土の改良が終わったら、また同じ手順で植え付けましょう。
■参考
・ナス 種からの育て方
・ナス 地植えの育て方
・ナス プランターの育て方
・ナス 鉢の育て方
・ナス わき芽かき 摘芯
・ナス 更新剪定
ナス苗 枯れる 理由と対策
植え付け後のナス、もっと耕してから植えたいですね
ナスの苗を育てたり購入して大事に植え付けたのに、
いくらもしないうちに萎れたようになり枯れてしまうことがあります
ナス苗が枯れる理由と対策をご紹介します。
[ナス苗 枯れる 理由と対策]
■寒さに当たった
ナスは熱帯原産の野菜で、暑さには強いのですが寒さに弱い性質があります。
植え付け時期が早いと、遅霜や冷たい風に当たり、萎れたようになります。
気温が十分に上がった5月頃に植え付けを行うか、
早植えする場合や寒さが気になる場合は、防寒をしておきましょう。
第一ビニール 苗キャップ
ホットキャップというプラスチック製のドーム型のものを苗にかぶせたり、
大型ペットボトルの下半分を切ってかぶせると、
トンネル栽培をすると、冷たい風や寒さを防げます。
霜の心配はないけれど、風がふくと冷たい日があるという場合は、
苗の四方に支柱を立て、苗の周りをビニールなどで囲います。
ビニール囲いをすることで、横から冷たい空気が当たることがなく、
日照の邪魔になることもありません。
畝にビニールマルチを敷くのも、地温を上げる効果があります。
■水切れを起こした
ナスの苗が根付くまでの水切れが、いちばん深刻なことが多いです。
苗を植え付けて、根付くまでの1~2週間くらいは、
ナスの根はまだ苗が入っていたポットより外に出ていません。
そのため、広い範囲で水分を吸収することができません。
植え付け時の根鉢部分が乾いてしまうだけで、
水切れの症状が出やすいので、根付くまでは水の管理に注意します。
同じナス科であるトマトと並べて植えたけれど、ナスだけ萎れてしまった場合や、
植え付けから間もなく症状が出た場合は、水切れが原因のことが多いです。
トマトは同じナス科であっても、乾燥に強い性質があります。
反対に、ナスは乾燥に弱い性質で、水切れを起こすとすぐに萎れてしまいます。
雨が降っても、ナスの大きな葉で株元には雨が当たらないこともあるので、
根付くまでは株元の土の乾き具合を、こまめにチェックして水やりします。
>>ナス 水やりのコツ
水切れは、たっぷり灌水してようすを見ます
■土壌が不適切
苗を植え付けた土の状態が悪い場合も、萎れて枯れてしまいます。
特に地植えの場合は、土作りをしてから苗を植え付けるため、
土作りが適していないと、枯れる原因になりやすいです。
また、耕し方が浅かったり粗いと、苗は根を張ることができません。
また、酸度調整をするために苦土石灰を入れますが、規定量を守ります。
苦土石灰は酸性に傾いている土を、中和するために加えます。
例えば大量の苦土石灰を入れると、強アルカリ性に傾いてしまい、
作物を育てるのには向かない土壌になります。
さらに、化成肥料などの元肥が、ナスの苗の根に触れる場所にあると、
根が肥料焼けを起こして枯れることもあります。
土作りはナス栽培でとても大切な作業なので、最善を尽くしましょう。
>>ナス栽培の用土
■病気にかかった
水切れが原因ではなく、突然全体が萎れたようになったり、
片側半分だけが萎れたようになった後、枯れてしまう場合は、
病気にかかっている可能性が高いです。
ナスがかかりやすい病気の中に、青枯れ病や半枯病、半身萎凋病があります。
青枯れ病は株全体が、半枯病と半身萎凋病は片側半分が萎れて枯れてしまいます。
青枯れ病の場合は、病斑などが出ることがほとんどなく、
葉が青い状態で枯死するので、この名前がつきました。
どの病気も発生してから枯死するまでの時間が早く、
発見してからでは、救えないことがほとんどです。
病気だと判明した苗は、ほかに染さないように取り除き焼却します。
接ぎ木苗は、病気に強いです
◎接ぎ木苗を使う
いずれも耐病性のある接ぎ木苗を用いることで、予防になります。
ここで注意したいのが、自根や葉を絶対に出させないことです。
接ぎ木苗は、病気に強い台木と、おいしい実のなる穂木を接いでできる苗です。
病気に強い台木の根を張ることで、土壌から感染する病気を防ぐのですが、
穂木からも根が出てしまうことがあります。
穂木から出る根(自根)は、病気に耐性がなく、病気にかかりやすいため、
自根を広げてしまうと、接ぎ木苗であっても病気にかかりやすい苗となります。
自根が出ないようにするために、苗を植え付ける時には、
接いだところを土に埋めないくらいに浅植えにします。
■ナス苗を枯らさない対策
・苗木を寒さに当てない
・土づくりをしっかり行う
・病気の苗は取り除き焼却する
・接ぎ木苗を使う