ナスが苦くなる
美味しかったナスが、苦くなることがあります
ナスは、家庭菜園でも、人気のある野菜の1つです。
夏の家庭菜園では、苗もたくさんお店に並びますし、
トマトやキュウリと合わせて栽培している、という方も多いです。
そんなナスですが、見た目には分かりませんが、
食べてみると苦みを感じることがあります。
せっかく育てて収穫したナスが苦いと、
とても残念な気持ちになりますね。
ナスが苦くなるのはどうしてなのでしょうか。
[ナスが苦くなる]
■ナスが苦くなる原因
ナスには、クロロゲン酸と呼ばれる苦みの元が含まれています。
普段はこの成分の量が少なく、食べても特に苦みを強く感じることはありません。
クロロゲン酸は、ナスのアクの中に多く含まれています。
切ったナスを放っておくと、断面が黒ずんできますが、これがアクです。
断面が黒ずんでいるナスは、アクが増えているため、
苦み成分も増えているということになります。
*アク抜きは、ナスをカットし塩水に5分ほどさらします。
けれど、ナスが苦くなるのは、切って放置するだけが原因ではありません。
収穫したり購入して、間もないナスを調理したにも関わらず、
苦みを感じるのには、主に4つの原因があります。
1.水切れ、肥料切れ
ナスの栽培中、水や肥料が切れると、ナスの生育が悪くなります。
ナスの苦みは、ストレスを受けたり、
実が育ちすぎることによって増えるため、水や肥料が切れることで、
大きなストレスを受けます。
また、養水分が足りないことによって、実の肥大が緩慢になり、
収穫最適サイズになるまで、とても時間がかかるようになります。
こうなると、ナスは硬くなり、表皮に艶もなくなり、苦みも増えやすくなります。
ナスは水と肥料を多く必要とする野菜です。
肥料は、定期的に適量を与えることが大切です。
肥料が少なくても多くても苦みが増します
2.肥料過多
肥料が足りていない時、ナスは生育が悪くなって苦くなりますが、
肥料が多い時にも、苦みが増えやすくなります。
肥料過多の状態になると、花を咲かせて実を育てる生殖生長よりも、
枝葉を茂らせる栄養生長の方が強くなります。
こうなると、肥料がたっぷりあっても、実の肥大が悪くなり、苦みが増します。
プランター栽培など、容器を使った栽培では、
水を与える時に底から出てくるまでたっぷりと与えていれば、
底から出てくる水とともに肥料成分が流れ出てくるため、
蓄積されることは稀です。
ただ、液体肥料を毎日与えていたり、固形肥料を規定の回数よりも多く与えるなど、
肥料濃度が高くなるような与え方をしていると、
プランター栽培であっても、肥料過多となります。
ナス栽培では、肥料が多すぎても少なすぎても、ナスの生育に大きく影響します。
まずは決められた頻度で、決められた量や濃度の肥料を与えて様子を見て、
足りなければ量や頻度を増やし、多すぎる場合は減らします。
今年のような猛暑では、ナスもコンディションを崩しやすいです
3.成り疲れ
ナスは生育旺盛な野菜ですが、たくさんの実をつけ続けると、やはり疲れてきます。
栽培前半は調子よく実をつけて肥らせていても、
しだいに樹勢が弱くなり、実の生長も遅くなって、味が落ちてきます。
特に7月に入り、梅雨が明けてしばらくすると、
それまでたくさん実をつけていたナスが、急激に弱ることがあります。
これが成り疲れです。
実を一度にたくさんつけ過ぎないよう、摘花や摘果をするのが一般的ですが、
すでに樹勢が弱っている場合には、更新剪定を行って、養生させましょう。
ナスの更新剪定は、7月下旬までに行うのがベストです。
近年は温暖化の影響か、梅雨が早くに明けたり、
晴れて気温の高い日が続いたりして、ナスも調子を崩しやすいです。
7月中旬を過ぎているのであれば、少し早めでも更新剪定を行い、
秋ナスに向けて養生させておくのがお勧めです。
>>ナス 更新剪定
4.暑すぎる
ナスは高温を好む野菜ですが、あまりに暑すぎる環境下では、生育が悪くなります。
35度~40度を超えると、さすがのナスも暑さによってストレスを受けます。
猛暑の中では、枯れることは少なくても、花付きや実付きが急激に悪くなったり、
着果しても良い実が育たなくなります。
ナスは低温によって花芽形成がうまくいかないことが多いですが、
高温によっても、花芽の形成がうまくいきません。
高温が続くような時期になったら、更新剪定をしましょう。
枝葉を切って小さくし、根を切ることによって、
新しい枝葉や根を発生させることができます。
さらに実をつけない期間に、樹勢を盛り返すこともできます。
■参考
・ナス 種からの育て方
・ナス 地植えの育て方
・ナス プランターの育て方
・ナス 鉢の育て方
・ナス 受粉のコツ
・ナス わき芽かき 摘芯
・ナス 更新剪定