ナス 9月に植えたら?
ナスといえば、代表的な夏野菜ですが、秋ナスもおいしいことで有名です
秋ナスは嫁に食わすなという言葉がありますが、これには2つの意味があります。
1つは、秋ナスはおいしいから嫁なんぞに食わしてたまるかという意地悪な意味、
もう1つは体が冷えるから嫁には食べさせない方が良いという教訓的な意味です。
いずれにせよ、秋ナスはおいしいということに変わりありません。
では、秋ナスを家庭菜園で収穫するためには、
9月頃に苗を植え付ければ良いのでしょうか?
[ナス 9月に植えたら?]
■ナス 9月に植えたら秋ナス?
秋ナスを収穫しようと、秋にナスの苗を植え付けようとする人がいますが、
これは、実際には間違いです。
ナスは苗の定植から実をつけるまでに、少し時間がかかります。
しかも高温を好む植物のため、
これから涼しくなっていく9月に苗を植えたのでは、生育が間に合いません。
ナスは霜が降りると枯れ始めます。
霜が11月初旬に降りるとすると、9月から2ヶ月くらいしか栽培期間がありません。
気温が低くなる中、枯れることはなくても、夏に比べ生長がかなり遅くなります。
9月に植え付けたとして、2ヶ月ほどでは実を収穫できることはないでしょう。
もし収穫できたとしても、1本か2本くらいしか収穫できません。
ハウスなど、寒さを防いで栽培できる施設があるなら、問題ありませんが、
家庭菜園では、満足するほど収穫するのは難しいでしょう。
元気なナスがバテる7月下旬~8月上旬頃に更新剪定を行います
■秋ナスは更新剪定が基本
秋ナスは、秋に収穫されるナスのことです。
ナスは5月頃に定植して育て、気温が高くなるとともに収穫が始まります。
次から次へと実をつけていくと、丈夫なナスも疲れてきます。
ちょうど7月下旬~8月上旬頃に、たくさんの実をつけ続けたナスはバテてきます。
7月下旬~8月上旬は高温を好むナスにとっても暑く、体力を削られます。
この時期を狙って行うのが、更新剪定です。
更新剪定は、地上部の枝を短くし、地下の根を切る作業です。
こうすることで、地上部も地下も新しい枝葉や根を発生させ、
リフレッシュすることができるのです。
更新剪定を行った株は、だいたい1ヶ月ほどで回復し、また実をつけます。
この方法であれば、秋ナスとしてまたおいしいナスを食べられます。
■更新剪定は絶対に必要?
夏に更新剪定を行うことで、株を休ませることができるので、
ぜひ行ってほしい作業ですが、枝葉や根を切るのが手数ということもあるでしょう。
その場合は、無理に更新剪定を行う必要はありません。
ただ、更新剪定してリフレッシュさせていない株は、実をつけ続けてしまうため、
秋に収穫できるナスの質が悪くなる可能性が高いです。
また、秋に収穫ができずに、真夏に疲れて枯れてしまうこともあります。
秋ナス苗 C) charm 楽天市場店
■秋ナスの苗
近年、秋ナスを育てようということで、
夏に「秋ナスの苗」が販売されていることを見かけるようになりました。
通常、5月頃に定植を済ませる苗を、秋になる前に植え付けをすることで、
秋ナスをいくらか収穫できます。
ただし、定植後の栽培期間が短くなればなるほど、収穫できる実の数が減ります。
運が悪ければ、1本も収穫できずに終わることもあります。
秋ナスとは、本来5月に定植して育てていた株を、
真夏に更新剪定を行って養生させ、秋に再度実をつけさせるものを指します。
5月に定植する予定が、苗を買いそびれてしまい、
夏の栽培ができなくなることがあります。
この場合は、苗の定植時期を通常とずらすことによって、
秋ナスを収穫することができます。
苗の定植を行うのは、必ず8月中旬までにします。
これより遅れると、栽培期間が短くなりすぎ、収穫自体が難しくなります。
「秋ナス」の名前で8月頃に販売されている苗を購入する場合は、
購入してすぐに定植します。
8月中旬までに定植しないと収穫ができない場合があります
正規の値段が高いからと、見切り品になるまで待つ人もいますが、
この場合は見切り苗になるまで待つと、8月中旬までの定植に間に合いません。
いくら苗が安くても、収穫ができなければ苗代は無駄になるので注意しましょう。
もしナスの種があれば、5月下旬~6月上旬に種を播いて育苗します。
ナスの育苗期間は、だいたい80日~90日ほどなので、
この時期に種を播いて育苗すると、8月中旬の定植に間に合います。
気温が十分に上がっている時期なので、
肌寒い時期に種まきをするよりも発芽率が良くなります。
■参考
・ナス 種からの育て方
・ナス 地植えの育て方
・ナス プランターの育て方
・ナス 鉢の育て方
・ナス 受粉のコツ
・ナス わき芽かき 摘芯
・ナス 更新剪定