ナス 育て方

ナスの育て方.com

ナス ホウ素欠乏類似症

読了までの目安時間:約 5分

 

スポンサードリンク


ナスを育てる時、色々な要素が必要になります。

 

基本となるチッソ・リン酸・カリのほか、鉄やカルシウム、
マグネシウムなどの微量要素も重要です。

 

何かが欠ければ、欠乏状態となって不調が出ます。

 

何らかの要素が足りずに出る不調を、生理障害と呼びますが、
要素が足りているにも関わらず、別のことが原因で、
生理障害とよく似た症状が出る場合もあります。

 

ナス栽培では、ホウ素欠乏と似た症状の、
ホウ素欠乏類似症というものが発生することがあります。

 

ホウ素欠乏類似症とは、どのようなものなのでしょうか。

 

 

[ナス ホウ素欠乏類似症]

 

 

■主な症状

 

・新芽の萎縮、芯止まり

ホウ素欠乏類似症は、その名の通り、ホウ素欠乏の時と似たような症状が出ます。

 

新芽が波打って萎縮し、奇形となります。

ひどい場合には、葉がくしゃくしゃになってまったく伸びないこともあります。

 

さらに症状がひどくなると、新芽部分がまったく生長せず、
小さいまま枯れたようになります。

 

そのまま新芽が生長することはなく、芯止まりとなって生長が止まります。

 

ナスは枝が伸びて、節に花芽がついて着果します。
そのため、新芽が伸びずに止まってしまうと、新しい節ができず、花芽も形成されません。

 

花がつかなければ着果もできず、収量が激減します。

 

・葉の光沢
ホウ素欠乏類似症では、ホウ素欠乏とよく似た症状が出ますが、
一点異なる部分があります。

 

それが、葉の光沢です。

ナスの葉は、表面に光沢がほとんどなく、マットな質感です。

 

ところが、ホウ素欠乏類似症の症状が出ると、葉の表面に、
べったりと油を塗ったような光沢が出ます。

 

一見すると、光沢が出て元気なように見えなくもありませんが、
正常な葉と異なるということは、異常が出ているという証拠です。

 

 

■主な原因

 

・チャノホコリダニの被害
ホウ素欠乏類似症は、名前の通りホウ素欠乏とよく似た症状が出ます。
けれど、葉の光沢があるという点で、類似症であることが分かります。

 

葉の萎縮や奇形、べったりとした光沢が出るという症状は、
チャノホコリダニの被害が出ている時の症状です。

 

葉の萎縮や奇形、芯止まりといった症状がホウ素欠乏と酷似しているため、
症状の原因を特定するのが遅れる場合があります。

 

チャノホコリダニを含めたホコリダニ類は、
高温乾燥の環境で発生しやすいのが特徴です。

 

 

■対策

 

・チャノホコリダニの防除
ホウ素欠乏類似症の原因がチャノホコリダニなら、
予防するためにはチャノホコリダニを防除することが一番です。

 

チャノホコリダニに効果のある薬剤を、予防的に散布すると良いでしょう。

 

また、高温乾燥の環境を好むので、適湿を心掛け、
乾燥がひどい場合は、葉水を与えるなどしておくと良いでしょう。

 

 

■判断基準

 

ホウ素欠乏類似症は、チャノホコリダニが原因で起こります。
ホウ素欠乏との違いは、油を塗ったような葉の光沢と、葉裏に寄生する虫の有無です。

 

チャノホコリダニは体がとても小さく、肉眼では見えにくいので、
虫メガネなどを使って観察し、害虫がいるかどうかをチェックしましょう。

 

■参考
・ナス 種からの育て方
・ナス 地植えの育て方
・ナス プランターの育て方
・ナス 鉢の育て方
・ナス 受粉のコツ
・ナス わき芽かき 摘芯
・ナス 更新剪定

 

タグ : 

ナス 病害虫 生理障害