ナス ダニ

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ナス ダニ

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ナス ダニ

 

 

ナスを育てている時、葉や実に異変が出ることがあります。
中でも、ハダニ類やチャノホコリダニなどのダニの仲間による被害は、
葉や実に出ることが多いので、注意が必要です。

 

ダニ類は高温を好むものが多く、特にナスに寄生するダニは高温を好むので、
ナスの生育条件とぴったり当てはまります。

 

そのため、ダニの被害が大きくなると、ナスの収量が極端に減ったり、
枯死することもあるため、できる限り予防しておく必要があります。

 

こちらでは、ナスのハダニの予防と駆除方法をご紹介します。

 

 

[ナス ダニ]

 

 

■ダニ類とは?

 

ダニ類といっても、いろいろな種類があります。
中でもナスが被害を受けやすいのが、
ハダニの仲間であるナミハダニカンザワハダニ
それからホコリダニの仲間のチャノホコリダニです。

 

いずれも葉や実に寄生して汁を吸い、徐々にナスを弱らせますが、
少しずつ性質が違うので、見分け方を覚えていると便利です。

 

・ハダニ類
ナミハダニは黄緑色、カンザワハダニは赤っぽい色をしています。
どちらもアズキのような丸い体で、体長は0.5mm~1mmほどの大きさです。

 

体が小さいので、数が少ないうちは寄生されても、見つけることができないです。
葉の裏側にくっついて汁を吸うので、汁を吸った部分の色が抜け、
葉の表面には色が抜けたような斑点ができます。

 

葉に斑点ができる症状は、ナスがかかりやすい病気の症状とも似ているため、
判断に迷います。

 

そんな時は、葉の裏側を見てみましょう。
葉を裏返してみた時、小さな虫が動いているようであればハダニの仕業です。

 

もし虫がいなければ、病気の可能性が高いといえます。

 

ハダニの数が増えるとともに、葉にできた斑点は葉全体に広がっていき、
力を失った葉はそのうち落葉します。
斑点が広がって落葉するものの、葉が変形したり巻いたりといった症状はほぼ出ません。

 

 

こちらの葉の裏の点状の部分がダニです

 

 

・チャノホコリダニ
チャノホコリダニは、ハダニ類に比べると体が小さく、体長は0.2mmほどです。
体の形も楕円形をしていて、非常に小さいため、肉眼で確認するのは困難です。

 

株元に近い古い葉よりも、生長点に近い若い葉に寄生することが多いです。
そのため、新芽部分を食害されると、新芽が傷んで生長が止まることがあります。

 

チャノホコリダニの被害にあうと、葉に穴があいたり、
葉の縁が巻くようになったり、葉が細く変形することもあります。

 

葉の裏側は、茶色っぽい緑色に変色し、テカりが出ます。
症状は葉だけではなく、実の部分にも出ることがあります。

 

ヘタ部分に症状が出る時は、穴があいたりはしませんが、
ヘタ(ガク)全体が傷だらけになって白っぽく変色します。

 

果実部分に被害が出た場合も、ヘタと同じような傷ができ、カサカサになります。
傷になった部分は、他よりも組織が硬くなってしまうため、
実が生長して大きくなってくると、傷の部分で曲がることもあります。

 

ヘタや実の部分に傷ができるのは、アザミウマの被害と似ていますが、
アザミウマの場合は葉が変形することはありません

 

チャノホコリダニの場合、ヘタ部分の傷が、
ヘタ全体につくことからも区別することができます。

 

 

チャノホコリダニの被害だと思われます

 

 

■ダニ類の予防法

 

ダニ類は、高温で乾燥した環境を好む傾向があります。
ハダニ類もチャノホコリダニも、
梅雨が明けて気温が本格的に高くなってきた頃から、被害が出やすくなります。

 

ダニ類を完璧に予防する方法はなく、完全に予防するのは難しいのですが現状です。
できるだけ高温・乾燥の環境を作らないようにし、
風通しの良い環境を維持することが最大の予防法となります。

 

基本的に水やりをする時、株元に水をかけるようにするかと思いますが、
時々葉水を与えるようにしましょう。

 

ホースの先をシャワーにし、葉の表面だけでなく裏側もまんべんなく水をかけます。
水流をやや強めにすると、葉の裏にもしダニ類がいたら吹き飛ばすことができます。

 

ほとんど症状が出ていないくらいに数が少ない時期は、
目視でダニ類がいるかどうか確認するのは大変です。
予防を兼ねて、数が少ないうちに駆除できるのも葉水の利点です。

 

 

葉水を与えるのが効果的です、葉の上下に水流をあてます

 

 

■ダニ類の駆除法

 

葉や実に異変を見つけたら、できるだけ早く処置するようにします。
駆除法は少なく、予防と同じように葉に水を当てるか、薬剤の使用になります。

 

また、特定の葉に被害が集中している場合は、
その葉のみを摘葉することにより、被害が抑えられることもあります。

 

・葉水攻撃
予防法と同様に、葉の裏にいるダニ類に向かって強めのシャワー水流を当てます。
ダニは水流にまけて吹き飛ばされ、徐々に被害がおさまってきます。

 

すでに葉の斑点や葉の変形、ヘタがかすり状になるような症状が出ているものは、
元に戻ることはありません。

 

けれど、ダニ自体の数が減れば、被害が大きくならずに済みます。
また、1回吹き飛ばしたくらいでは、すべてのダニを吹き飛ばせません。

 

1回だけ行って、以降まったく葉に水をかけずにいると、
1回目で吹き飛ばずに残ったダニが繁殖し、また被害が大きくなります。
少なくとも数日の間は、毎日行った方が効果に期待できます。

 

 

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・薬剤を使用
薬剤を使っての防除ももちろんできます。
ナスに使えて、ダニ類の登録がある薬剤を使うようにします。

 

アファーム乳剤や、スターマイトフロアブルなどがお勧めです。
ただ、薬剤には使用回数に限度があるので注意します。

 

また、同じ薬剤ばかりを使っていると、ダニ側に薬剤の耐性ができるので、

ローテーションをして使用すると良いでしょう。

 

薬剤を散布しても、すぐに効果が見えるわけではありません。
ダニが減り、吸汁される量が減ってくることで、被害の出ていない新芽が伸びてきます。

 

だいたい散布してから効果が見えるようになるまで、1週間~2週間ほどかかります。
すぐに効果が出ないからといって、またすぐに薬剤を散布せず、
2週間くらいまでは経過観察をするようにしましょう。

 

■参考
・ナス 種からの育て方
・ナス 地植えの育て方
・ナス プランターの育て方
・ナス 鉢の育て方

・ナス 受粉のコツ
・ナス わき芽かき 摘芯
・ナス 更新剪定



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ナス 病害虫 生理障害

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