ナス 収穫量 増やすには?
ナスの収穫量を増やすコツは?
ナスは焼いても揚げても煮てもおいしく、
和風はもちろん中華や洋風の料理にも使え、とても重宝します。
また夏の間はほてった体を冷やしてくれる効果もあるため、
日本の夏にはなくてはならない野菜です。
家庭菜園で育てるのであれば、できるだけたくさん収穫したいですね。
かといって、農家のような大掛かりなことは難しくてできません。
そこで、同じ面積でも簡単にできて収穫量がアップする方法をご紹介します。
[ナス 収穫量 増やすには?]
■十分な株間・土量の確保
ナスの苗は、購入した時は小さいため、
株間を広くとると寒々しく感じるかもしれません。
けれど生育スピードが早くなってくると、
どんどん枝を伸ばして生育スペースを広げます。
この時、株間が狭いと隣の株と枝や葉が重なり、
日当たりや風通しが悪くなります。
また地下でも根を広げる場所をとるためにケンカをするので、
最初から株間を広くとるようにします。
株間は、地植えにする場合で45cm、
プランターで育てる場合で30cmが目安になります。
枝を伸ばす方向や、伸ばす予定の長さによっては、
もっと広く株間をあけておいた方が良い場合もあります。
株間を狭くとっても良いことはありませんので、迷ったら広めにとるのがお勧めです。
プランター栽培では、容量の大きい(30~50リットル)、
大型の菜園用プランターで育てると、モリモリ育ちます。
もっと株間をとると、収穫量がアップします
■側枝の整理
ナスの主枝を伸ばしていくと、節ごとにわき芽が発生します。
このわき芽が伸びてくると側枝となり、主枝とともにどんどん伸びていきます。
発生した側枝をすべて摘芯・わき芽かきしたりせずに、
伸ばすことも、不可能ではありません。
むしろ枝が増えることになるので、
見た目だけであれば、こちらの方が実がたくさんつきそうです。
ところが、ナスの側枝を放任していると、思わぬ弊害が起こります。
側枝を放任すると、それだけ養分が分散するので、結実に集中することができません。
枝の数だけ花の数も増え、一度につく実も多くなります。
そのため、養分や水分が大量に必要になるのですが、
地上部に必要な養分を供給できるほど根が育てないことが多いのです。
地上部と地下とのバランスがとれていなければ、
思うように育たなくなり、結局、実付きが悪くなって収量が減ります。
枝を伸びたいだけ伸ばしていると、枝や葉が密集して、風通しも悪くなります。
また株の中心への日当たりも悪くなるので、さらに生育が悪くなります。
風通しが悪いことで、病害虫の被害に合う確率も高くなるので、
やはり、どうしても収量減ということになります。
側枝を整理して数を減らすことで、株の負担が減り、
咲いた花は確実に着果して肥大するようになります。
ナスの場合、だいたい2本仕立てか3本仕立てが主流です。
最初からある主枝と後から伸びてくる側枝を合わせて2本か3本に整枝します。
プロである農家の場合は、収量を上げるために、
もうワンランク上の4本仕立てにすることがあります。
けれど、家庭菜園で楽しむ程度であれば、
2本や3本仕立てでも十分収穫することができます。
>>ナス わき芽かき 摘芯
大型プランターなら、2本仕立てにすると収量がぐっと増します
■わき芽を繰り返し発生させる
主枝と側枝を整枝したら、
次は1本の枝からとれる実の数を増やすようにします。
主枝や側枝を伸ばしていくと、節のところでわき芽が出てきます。
このわき芽は摘んでしまわずに、そのまま少し育てます。
わき芽を育てていくと、花芽が出ます。
この花芽を咲かせて実をつけさせるのですが、
ポイントは実を収穫する時です。
実を収穫する時、一般的にヘタの部分を切るのですが、
わき芽にできた実を収穫する時は、枝ごと切るようにします。
切るのは実のついているわき芽の葉を2枚~3枚残したところです。
わき芽をそのまま残して実だけを収穫すると、さらにその先に枝が伸びていきます。
せっかく側枝を整理して空間を作ったのに、
側枝にできたわき芽を同じように育ててしまっては意味がありません。
枝ごと実を収穫することで、また新しいわき芽が発生して花芽をつけます。
これを繰り返して行うことで、1か所のわき芽から何度も実を収穫できることになります。
この栽培方法にすることで、側枝を整理して枝の数を減らしたとしても、
収穫量が減らず、むしろ増えるという仕組みになっています。
ただし、収穫する時に側枝や主枝を切ってしまわないように注意しましょう。
残す枝と切り落とす枝を把握しておくためにも、ナスがどのように枝を伸ばし、
今どの部分の実を収穫しようとしているのかを、しっかりと理解しておきましょう。
*こちらの中段「摘芯」をご覧ください。
>>ナス わき芽かき 摘芯
■更新剪定をする
ナスを普通に育てていると、暑くなる頃に株がバテてることがあります。
いわゆる成り疲れという状態なのですが、放っておくとそのまま枯れたり、
枯れなくても実付きが極端に悪くなったりします。
そんな時は、無理に新しい実をつけさせずに更新剪定をしましょう。
更新剪定は、枝や根を一度切ることにより、株をリフレッシュさせる方法です。
一度、試してみれば、難しい作業ではありません。
枝と根を切っているので、株を再生するまでに少し時間がかかりますが、
再生の過程で体力を溜めることにより、秋にまたナスを楽しめるようになります。
時期は7月下旬~8月上旬です。
これより遅くなると、実がつくまでに寒くなってしまうので注意しましょう。
>>ナス 更新剪定
更新剪定の方法
■適切な栽培管理
収穫量を上げるためのコツは色々とありますが、
やはり最も大切なのは適切な栽培管理です。
いくら枝を整理して風通しを良くしても、わき芽を発生させて花芽をつけても、
水やりや追肥がうまくないと枯れてしまったり、実付きや花付きが悪くなります。
ナスの実をたくさん収穫したいのであれば、水切れは厳禁です。
地植えにしていると、見た目は葉もピンとして萎れていなくても、
実に送るだけの水分が足りていないことがよくあります。
土の状態はこまめにチェックし、地植えで育てているのであっても、
暑い時期は毎日水を与えることも必要です。
また、追肥を適期に適量を与えることもとても大切です。
肥料が切れると、新しい芽や花芽の発生が遅れ、実の肥大も弱くなります。
いつまでたっても実が大きくならない時や、葉色が悪い時、
花の色が薄かったり短花柱頭になっている時は、肥料不足が疑われます。
まずは即効性のある液体肥料を規定通りか少し薄めに作って与えて様子を見ます。
十分な水と肥料を、ナスが欲しい時に与えてあげることが、
収量を上げるための一番の近道です。
■参考
・ナス 種からの育て方
・ナス 地植えの育て方
・ナス プランターの育て方
・ナス 鉢の育て方
・ナス 受粉のコツ
・ナス わき芽かき 摘芯
・ナス 更新剪定