ナス 害虫 概要

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ナスの害虫-概要

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病害虫にやられず大きく育ってほしい欲しいナス♪

 

 

ナスの害虫は大きく分けると、
食害性の害虫と吸汁性の害虫と、
食害も吸汁もする害虫に分けられます。

 

ナスを育てる以前に、害虫のことを知っていると対策が速く良好にできます。
症状と対策について、概要を説明していきます。

 

 

[ナスの害虫-概要]

 

 

■食害する害虫

 

 

●テントウムシダマシ類
ナスは、テントウムシダマシ類がよく付きます。

 

テントウムシダマシ類は、テントウムシ科マダラテントウムシ亜科に属す、
ニジュウヤホシテントウとオオニジュウヤホシテントウの総称で、
テントウムシダマシ類は害虫です。

 

益虫のテントウムシのほとんどは、
ナミテントウ(テントウムシ科テントウムシ亜科)です。

 

ナミテントウとテントウムシダマシ類の違いは、
ナミテントウの成虫はつやつや光っていますが、
テントウムシダマシ類の成虫はくすんで見えることです。

 

幼虫は色の違いもありますが、トゲの長さも違います。
ナミテントウの幼虫はとげとげしくありません。
テントウムシダマシ類の幼虫のトゲは、オナモミのようなトゲが沢山あります。

 

テントウムシダマシ類の成虫と幼虫の好物はアブラムシではなく、
ナス科(ナス、トマト、ジャガイモ、ピーマンなど)の植物の葉です。

 

◎対策と防除
ナス畑、菜園で近隣の畑でテントウムシダマシ類の食害情報が出たら、
テントウムシダマシ類がいずれ移動してくるので、極力植え付けは避けます。

 

テントウムシダマシ類の幼虫も成虫も葉の裏で食害することが多いので、
薬剤散布は葉の裏を重点的にします。

 

薬剤防除を避けたい場合は、
テントウムシダマシ類の幼虫や成虫を見つけ次第、補殺します。

 

 

●ナス ハモグリバエ類
トマトハモグリバエ、マメハモグリバエ、ナスハモグリバエなどの、
ハモグリバエの総称です。

 

・被害状況
いずれも幼虫がナスの葉に潜って食害し、くねくねした痕が葉面に現れます。
「絵かき虫」とも言われます。

 

発生量が少なければ被害は少なくてすみます。
食害痕が葉の全面に広がると、落葉して収穫量が減ります。

 

・生態
ナスの果実には寄生せず、産卵は生長した葉で、幼葉には産卵しません。
被害葉は下葉から上葉へと移行します。

 

◎対策と防除
ナスなど夏野菜の寄生苗の定植を避けるようにします。
大規模な畑では、成虫が黄色に誘引される習性を利用して、
黄色粘着トラップを設置します。

 

雑草にも寄生するので、圃場内外の除草をこまめにします。
発生した圃場では、栽培終了後か改植時に土壌消毒や、
ビニールハウスでは、蒸し込みを行いましょう。

 

寄生されたナス株は、土中深く埋めるなど適切に処分し、拡大を防ぎます。

 

 

■汁を吸う害虫

 

 

●アブラムシ類
ナスの地上部につきやすいアブラムシは、
ワタアブラムシ、モモアカアブラムシ、ジャガイモヒゲナガアブラムシ、
チューリップヒゲナガアブラムシの4種が主です。

 

・アブラムシの生態
胎生の単為生殖で増殖するアブラムシです。
基本は無翅(羽がない)ですが、個体数が増え、過密になると、
有翅(羽がある)個体が出現し、他の場所に移動します。

 

・アブラムシの被害状況
主にナスの葉の裏に群れをなして寄生し吸汁します。
密度が増すと葉が萎縮し生育が阻害され、重症になると落葉、枯死します。

 

媒介する病原は4種ともモザイク病があります。
すす病はワタアブラムシ、モモアカアブラムシ、
チューリップヒゲナガアブラムシの糞で起こる病気です。

 

◎対策と防除
アブラムシの付いた苗の定植は、極力避けましょう。
有翅虫の侵入を防ぐため、
露地では風上に防風ネットなどで作物に寄せ付けないようにします。

 

アブラムシを圃場で見つけた場合は、
シルバーマルチやアルミホイルなどで被害株近くをマルチングします。

 

薬剤防除する場合は、薬剤の抵抗性ができるのを避けるため、
同じ系統薬剤の連用を避けます。

 

ただし、粘着君(住友化学(株))に関しては、
物理的防除を応用した薬剤なので、連用可能です。

 

根部に寄生して吸汁するアブラムシもいます。
オカボノアカアブラムシです。

 

寄生範囲は地際から深さ約15cmまでの根部で、
通気性の良い圃場で発生します。

 

大繁殖すると、葉が黄色くなり、樹勢の低下、萎凋など株に影響がでます。

 

◎オカボノアカアブラムシの対策と防除 
植付前に寄主植物のイネ科雑草等を除去することと、
定植時の持ち込みに注意します。

 

 

●ダニ類
ナスに寄生するダニ類にはハダニ類とチャホコリダニに大別されます。

 

・ハダニ類の被害状況と生態
ナスの葉裏に群生し養分を吸収します。

葉の色が抜け始めそのうち白く乾燥状態になって、
密度が高くなると葉は黄変後、落葉することもあります。

 

落葉するあたりで、新しい葉へ移動するため、
放置しておくと被害が拡大します。
被害は下葉から上の葉へ上がっていきます。

 

◎ハダニ類の対策と防除
発生源は主に圃場内外の雑草が多く、雑草を除去します。
被害苗を圃場に持ち込まないようにします。

 

梅雨明け以降に被害が出やすいので、
下葉を剪定して風通りを良くし、草勢維持も大切です。

 

発生初期の防除が第一なので心がけてください。
同一薬剤や同一系統の薬剤の連用は避けます。
栽培終了後に病害虫防除を兼ねて蒸し込み処理を行います。

 

・チャホコリダニの被害状況
ナスが奇形の葉になったり、葉の縁が裏側に巻いたり、生長点が生長しなくなります。
蕾や果実に寄生すると、蕾は咲かなかったり、奇形花になったりします。

 

ナスの果柄やヘタの表面が褐変、実もザラザラして灰褐変し、
裂果したり商品価値がなくなります。

 

◎チャホコリダニの対策と防除
寄生する範囲は広いので、
常発地帯では発生源の雑草の除去や樹木へは薬剤散布をして予防に努めます。

 

圃場で発生した場合は、チャホコリダニのライフサイクルを利用して、
初期防除を徹底すると被害拡大を食い止められます。
薬剤防除の際は、同一薬剤や同系統の薬剤の連用を避けます。

 

 

■食害し汁を吸う害虫

 

azamiuma

●アザミウマ類
・被害状況と生態
メスは卵を葉や幼果などに1個ずつ産みつけます。
ふ化した幼虫は、葉や果実等で吸汁加害します。

 

蛹の時期近くになると幼虫は移動し、土中などで前蛹になります。
前蛹から蛹期は食害や移動はほとんどしません。

 

成虫になるとミナミキイロアザミウマは再び葉や果実に寄生し今度は食害します。
ヒラズハナアザミウマの成虫は主に花粉を食べたり花の組織を食害します。


◎アザミウマ類の対策と防除

ナスなど寄主植物の範囲が広いので、圃場周辺の雑草をこまめに除去します。
畦をシルバーマルチし、飛来と蛹化の防止策とします。

 

発生圃場では栽培終了後に必ず蒸し込み処理をし、外への拡散防止に努めます。
多発後の薬剤防除は効果が少ないので、発生初期の防除に努めます。

 

■参考
・ナス 種からの育て方
・ナス 地植えの育て方
・ナス プランターの育て方
・ナス 鉢の育て方
・ナス わき芽かき 摘芯
・ナス 更新剪定



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